11月のパート・アルバイト時給、上昇傾向続く リクルート調査は3カ月連続で過去最高

2024年12月15日 20:32

 求人サイトを運営する各社が11月度のパート・アルバイト時給動向を発表。年末年始の繁忙期に向けて、販売系やサービス系の職種を中心に時給の上昇傾向が続いていることが分かった。

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■アイデムは東日本のみ前年同月上回る

 5日、アイデムが11月の「パート・アルバイトの募集時平均時給」を発表した。東日本エリアの平均時給は前年同月比8円増の1,248円、関東4都県(東京、神奈川、埼玉、千葉)は前年と変わらずの1,259円だった。

 職種別では7職種中6職種が前年同月を上回った。その中では事務職が1,223円(前年同月比:61円増、以下同じ)、飲食サービス職が1,189円(71円増)、その他が1,260円(113円増)で上げ幅が大きめ。反対に専門・技術職のみ1,440円(82円減)で前年同月を下回った。

 西日本エリアの平均時給は同72円減の1,193円、関西3府県(大阪、兵庫、京都)は同84円減の1,205円だった。東日本同様に職種別で7職種中6職種が前年同月を上回っている。その中では販売・接客サービスが1,115円(50円増)、飲食サービス職が1,119円(68円増)、その他が1,175円(100円増)で上げ幅が大きめ。反対に専門・技術職のみ1,420円(198円減)前年同月を下回った。

■リクルートは3カ月連続で過去最高時給更新

 13日、リクルートの調査研究機関『ジョブズリサーチセンター(JBRC)』が、11月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。3大都市圏(首都圏、東海、関西)の平均時給は前年同月比43円増の1,221円となり、43カ月連続で前年同月を上回り、9月から3カ月連続で過去最高時給を更新した。

 地域別では首都圏が同41円増の1,257円、東海が同50円増の1,151円、関西が同48円増の1,189円となり、3地域とも前年を上回る状況が続いている。年末年始に向けて「販売・サービス系」や警備職種などでの高時給の求人が増加。職種別で「販売・サービス系」「フード系」「製造・物流・清掃系」「事務系」「専門職系」で過去最高時給を更新している。

■ディップは3カ月連続で前年同月下回る

 同日、ディップが11月の「アルバイト平均時給調査」を発表した。全国の平均時給は同月比74円減の1,291円となり、3カ月連続で前年同月を下回った。またアルバイト・パートの求人件数は同7.9%増の約330,000件だった。

 地域別では関東が同28円減の1,366円、東海が同119円減の1,213円、関西が同110円減の1,232円、九州が同62円減の1,316円と、全ての地域で前年割れとなった。

■エン・ジャパンは25カ月連続で前年同月上回る

 同日、エン・ジャパンが11月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。全国の平均時給は同73円増の1,274円となり、25カ月連続で前年同月を上回った。エリア別では関東が同100円増の1,387円、東海が同39円増の1,317円で、関西が同103円増の1,378円となり、引き続き3地域とも時給がアップしている。

 年末年始の繁忙期を迎えて「フード系」「販売・サービス系」などで年末手当を上乗せした募集が見られたことで、平均時給アップの一因になった。また全国チェーン店では人件費の予算を重点配分することで、人材需要に合わせた時給アップが行われているという。

 職種別は10職種中9職種で平均時給が前年同月を上回った。その中では、販売・サービス系が1,371円(前年同期比:104円増、以下同じ)、フード系が1,185円(65円増)、運輸・配送・軽作業系が1,322円(147円増)、企画・事務・管理系が1,385円(96円増)、営業系が1,491円(110円増)で伸び幅が大きめ。反対に教育・その他のみが1,330円(28円減)と前年割れだった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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