5日の香港市場概況:ハンセン0.9%安で続落、消費関連に売り

2024年12月5日 18:00

*18:00JST 5日の香港市場概況:ハンセン0.9%安で続落、消費関連に売り
5日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比182.02ポイント(0.92%)安の19560.44ポイントと続落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が70.87ポイント(1.00%)安の7014.13ポイントと5日ぶりに反落した。売買代金は1093億5940万香港ドルに縮小している(4日は1311億9720万香港ドル)。


中国経済の成長鈍化が懸念される流れ。中国共産党機関紙の人民日報は4日の論説記事で、「5%前後」とした今年の経済成長目標について、5%をやや下回っても容認できるとの見解を示している。また、経済協力開発機構(OECD)は4日、2025年の中国経済成長率予測を前回の4.5%から4.7%に上方修正したが、24年予測(4.9%成長)からは鈍化するとの見通しを明らかにした。中国の政策動向を見極めたいとするスタンスも強まる。11〜12日の開催が報じられた中央経済工作会議を前に、今週末〜来週初めにも中央政治局会議が開かれる見通しだ。ただ、下値は限定的。中国当局は金融・財政政策を強めるとの期待が根強いほか、米ハイテク株高も支えだ。昨夜の米株市場は、AI(人工知能)産業の拡大期待が強まる中、主要3指数がそろって史上最高値を更新している。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が3.6%安、医療サービス企業の阿里健康信息技術(241/HK)と旅行サイト中国大手の携程集団(9961/HK)がそろって3.3%安と下げが目立った。


セクター別では、消費関連が安い。美団などのほか、家電の海信家電集団(921/HK)が3.1%、外食の九毛九国際HD(9922/HK)が2.9%、粉ミルクの中国飛鶴(6186/HK)が2.8%、乳製品の中国蒙牛乳業(2319/HK)が2.3%、スポーツ用品の李寧(2331/HK)と米菓・飲料メーカーの中国旺旺HD(151/HK)がそろって2.2%ずつ下落した。中国経済についてOECDは、個人消費が依然低迷していると指摘している。


宅配や荷役など物流関連の銘柄群もさえない。中国外運(598/HK)が3.5%安、円通速逓国際(6123/HK)が3.1%安、京東物流(2618/HK)が2.5%安、嘉里物流聯網(636/HK)が2.4%安で引けた。


半面、証券セクターはしっかり。東方証券(3958/HK)が2.5%、中信証券(6030/HK)が1.6%、広発証券(1776/HK)が1.5%、中信建投証券(6066/HK)が1.3%ずつ上昇した。市場活性化が期待される。上場企業の自社株買いを支援するために導入された融資制度について、中国当局が見直しを行ったもよう――と伝わった。


一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.13%高の3368.86ポイントで取引を終了した。証券株が高い。不動産株、ハイテク株、自動車株、軍事関連株、空運株なども買われた。半面、エネルギー株は安い。素材株、銀行・保険株、公益株、食品・酒造株、医薬株も売られた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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