オークネット:トップラインの2桁成長続く、サーキュラーエコノミーのインフラ提供者目指す
2024年12月5日 14:20
*14:20JST オークネット:トップラインの2桁成長続く、サーキュラーエコノミーのインフラ提供者目指す
オークネット<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0396400?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><3964></a>は、中古デジタル機器、ブランド品のオークション・流通等を手掛けるライフスタイルプロダクツ部門が主力で、中古車・中古バイクオークション等も展開している。セグメントは、デジタルプロダクツ事業及びファッションリセール事業で構成されるライフスタイルプロダクツセグメント(2024年12月期第3四半期時点の売上高に対して68.2%)、オートモビル事業及びモーターサイクル事業で構成されるモビリティ&エネルギーセグメントに分かれている(同26.9%)。その他事業では、アグリ事業やサーキュラーコマース事業も展開しており、多角化されている。
まず、ライフスタイルプロダクツセグメントの中のデジタルプロダクツ事業では、中古スマートフォン・中古PC等の中古デジタル機器のオークション及び消費者向けを含む流通に付随するサービスを展開しており、主力サービスとなっている。海外バイヤー網の強化に注力しており、会員数は1,700社(2023年12月末時点)を超える。また、ファッションリセール事業では、バッグ、時計、貴金属、衣類等の主にブランド品のオークション及び消費者向けを含む流通に付随するサービスをB向け、C向けに展開している。toBでは長年築いてきた強固な会員ネットワークが合計4,800会員にのぼり、toCでは東京、大阪を中心に11店舗を展開。実店舗だけでなくECサイトにも注力している。そのほか、ブランド品買取販売サービス「ブランディア」も展開し、買取サービスの累計利用者数が400万人を突破した。
一方、モビリティ&エネルギーセグメントにおけるオートモビル事業では、自社・他会場で中古車オークションを実施・提携するほか、車両検査サービスなども展開。モーターサイクル事業は、中古バイクオークション・共有在庫市場・レンタルサービスなどを展開している。
2024年12月期第3四半期累計の売上高は前年同期比25.4%増の40,443百万円、営業利益は同3.4%増の5,610百万円で着地した。ライフスタイルプロダクツセグメント及びモビリティ&エネルギーセグメントがともに好調。具体的にデジタルプロダクツ事業では、国内サプライヤーとの取引拡大や連携強化による流通台数の増加に加えて、円安の影響も相まって取扱高が増加、ファッションリセール事業はBtoB事業において相場が軟調ではあるが会員数及び出品点数の増加により好調に推移したようだ。また、オートモビル事業でも、共有在庫市場と落札代行サービスの連携強化による落札台数増加。モーターサイクル事業は、輸出業者会員のオークション利用促進等により成約台数が好調に推移したようだ。通期の売上高は前期比33.9%増の58,000百万円、営業利益は同5.1%増の7,000百万円を見込んでいる。
同社はSDGs企業として、情報の力で流通課題を解決し、世界中の顧客から選ばれ喜ばれる企業を目指している。中期経営計画も開示しており、2025年にはGCV1兆円、EBITDA100億円、ROE20%、配当性向30%を掲げている。安定した事業基盤のもと持続的成長を加速させ、M&A等に関する投資枠で100億円を確保してる。2024年2月にM&Aに関する契約を2件締結(投資額約45億円)しているが、引き続き候補先の選定に注力している。また、ライフスタイルプロダクツセグメントでは国内プラットフォームの強化、C向け事業の強化/拡大、グローバルビジネスの推進を掲げており、モビリティ&エネルギーセグメントでも中古車・中古バイクの既存の流通体制を強化しつつ新たな事業領域への拡大に取り組んでいる。「オークション事業者」から「サーキュラーエコノミーのインフラ提供者」への転換点を迎える中、今後の動向に注目しておきたい。《NH》