4日の香港市場概況:ハンセン0.02%安で4日ぶり小反落、本土株指数は0.2%高

2024年12月4日 18:24

*18:24JST 4日の香港市場概況:ハンセン0.02%安で4日ぶり小反落、本土株指数は0.2%高
4日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比3.86ポイント(0.02%)安の19742.46ポイントと4日ぶりに反落する一方、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は12.87ポイント(0.18%)高の7085.00ポイントと4日続伸した。売買代金は1311億9720万香港ドルとなっている(3日は1266億8330万香港ドル)。

米中対立の激化懸念が投資家心理の重しとなる流れ。中国商務部は3日、ガリウムやゲルマニウム、アンチモンなど半導体材料となるデュアルユース(軍事と民生の両用)に関連する物資の米国向け輸出規制強化を発表した。バイデン米政権が2日、新たな対中半導体規制を発表したことに対する対抗措置とみられる。米金利高も嫌気。昨夜の米債券市場では、堅調な米雇用指標を受け、米10年債利回りが上昇した。金利の先高観が意識される中、金融政策で米国に追随する香港でも金利の上昇が警戒されている。

ただ、下値は限定的。中国経済対策の期待感を支えに、ハンセン指数もプラス圏で推移する場面がみられている。外電は3日に消息筋情報として、翌年の経済政策方針を決める中国の重要会議「中央経済工作会議」は、来週11日から2日間の日程で開催される見通し――と報じた。金融・財政政策を強めるとの期待が根強く、会議の後、預金準備率が引き下げられるとの観測も広がっている。(亜州リサーチ編集部)

ハンセン指数の構成銘柄では、インフラ投資会社の長江基建集団(1038/HK)が2.5%安、香港不動産デベロッパー大手の新世界発展(17/HK)が2.3%安、太陽光発電(PV)用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が2.0%安と下げが目立った。

セクター別では、香港不動産が安い。新世界発展のほか、恒隆地産(101/HK)が2.3%、九龍倉置業地産投資(1997/HK)が1.9%、恒基兆業地産(12/HK)が1.4%ずつ下落した。

エアラインやツアー会社など旅行関連もさえない。中国国際航空(753/HK)が3.2%安、中国南方航空(1055/HK)が1.9%安、飛道旅遊科技(8069/HK)が5.1%安、同程旅行HD(780/HK)が1.9%安で引けた。

半面、石油・石炭セクターは高い。中国石油天然気(857/HK)が3.2%、中国海洋石油(883/HK)が2.3%、中国石油化工(386/HK)が2.1%、中国神華能源(1088/HK)が4.1%、中国中煤能源(1898/HK)が4.0%ずつ上昇した。原油高が追い風。昨夜のWTI原油先物は2.7%高と続伸した。

キャリアや設備工事の通信ネットワーク関連も物色される。中国聯通(762/HK)が1.5%高、中国電信(728/HK)が1.3%高、京信通信系統HD(2342/HK)が2.2%高、中国通信服務(552/HK)が1.4%高で取引を終えた。

一方、本土マーケットは4日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.42%安の3364.65ポイントで取引を終了した。自動車株が安い。医薬株、不動産株、消費関連株、インフラ関連株、素材株、保険・証券株なども売られた。半面、半導体株は総じて高い。エネルギー株、公益株、銀行株も物色された。

亜州リサーチ(株)《AK》

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