オイシックス・ラ・大地:シダックスグループ連結化などにより大幅増収増益、既存事業も収益性改善進む

2024年12月4日 11:35

*11:35JST オイシックス・ラ・大地:シダックスグループ連結化などにより大幅増収増益、既存事業も収益性改善進む
「より多くの人が、よい食生活を楽しめるサービスを提供する」を理念とするオイシックス・ラ・大地<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0318200?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><3182></a>は、独自の栽培、生産基準に基づいた環境負荷の少ない高付加価値の食品(青果物・加工食品・ミールキット)や、日用品、雑貨等を宅配するBtoCサブスク事業をメインに事業展開してきた。2024年1月にシダックスを連結化したことに伴い、事業セグメントを変更。新たにBtoBサブスク、社会サービス、車両運行の事業セグメントを設けている。BtoBサブスク事業では企業や病院、保育園などを対象に給食及び管理業務などを提供、社会サービス事業と車両運行サービス事業では、学童保育や学校給食などの管理運営受託、スクールバスや地域交通手段などの車両運行管理サービスなどを手掛ける。安心・安全に配慮した食品の定期宅配サービスを長きにわたって手掛けてきた同社は、全国4,000軒の生産者ネットワーク、食の宅配に特化した物流ノウハウ、安定的な収益計上を可能にする食のサブスクリプション宅配モデル、などの強みを有している。

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比118.9%増の125,706百万円、営業利益が同60.9%増の3,332百万円となった。売上高に関しては、BtoCサブスク事業が前年同期比でわずかながらの減収となったものの、シダックスグループ連結化の効果もあり大幅増収となった。利益面に関しては、連結化によって新たに設けたBtoBサブスク事業、社会サービス事業、車両運行サービス事業が利益を積み上げたほか、BtoCサブスク事業において商品原価及び物流費・配送コストの低減効果が出たことも利益の急伸に寄与した。BtoCサブスク事業に関しては、戦略的に新規会員獲得を抑制したことなどを受け減収となったものの、会員獲得コストの低減やコラボ商品の拡充などの効果による購買単価の向上によって収益性が向上している状況である。

2025年3月期の連結業績予想に関しては、売上高で前期比71.8%増の255,000百万円、営業利益で同36.1%増の7,000百万円を見込んでいる。期末に向けてはBtoCサブスク事業、BtoBサブスク事業ともにトップラインの拡大に注力することに加えて、収益性向上施策も推進していく構えだ。BtoC事業においては、会員獲得コストを継続的に低下させながら、同時にコラボ商品や機能性に特化したミールキットなどの新商品・新サービスを適宜投入していくことによって業績の拡大を目指す。BtoBサブスク事業に関しては、BtoCサブスク事業で培った事業ノウハウを横展開することなどによって同社商品の付加価値の向上、業務コストの削減などを実現していく方針だ。特に給食事業においては巨大なマーケットのなかで多くのプレーヤーがひしめき合っている状況である。収益性向上やM&Aによって市場のトップティアとなることを目指しており、既存給食事業の売上を2030年までに100,000百万円まで拡大させていく方針だ。配当に関しては無配を想定しているものの、同社は機動的な自己株式の取得と事業成長を土台とした株価上昇によって株主利益還元していく方針である。今後は、シダックス連結化によって事業規模の拡大が期待されることに加えて、収益性向上施策によって利益の積み上げも期待できると弊社は見ている。

中長期的な経営方針としては、さらなる成長に向けた競争優位の確立として、顧客基盤の拡大、商品の付加価値向上、事業インフラの整備などを掲げているほか、新規事業や新規事業領域・市場への進出も積極的に模索していく方針である。これらの基本戦略の推進により、2030年にはBtoCサブスク事業とBtoBサブスク事業を合わせた売上高を300,000百万円まで成長させることを目指す。《NH》

関連記事

最新記事