ワンプラ Research Memo(4):通期で営業黒字の上で2025年以降も年1本程度を目処に新規リリースに取り組む

2024年11月28日 11:04

*11:04JST ワンプラ Research Memo(4):通期で営業黒字の上で2025年以降も年1本程度を目処に新規リリースに取り組む
■ワンダープラネット<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0419900?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><4199></a>の今後の見通し

1. 2025年8月期の業績見通し
2025年8月期は、投資後の利益成長フェーズに向けて引き続き成長戦略を推進する方針だ。成長投資に伴う費用負担については、全社で補うことで通期での営業黒字確保を想定している。2025年8月期においては、「ジャンプチ ヒーローズ」や「クラッシュフィーバー」海外版のサービス終了に伴う売上反動減や「パンドランド」の投資先行、新規開発費用の増加が、業績に対して短期的な圧力となることが予想される。しかしながら、中長期的には新規タイトルの成功や既存タイトルの再成長により、業績の拡大が期待される。

2025年3月以降の重点戦略としては、「クラッシュフィーバー」の再成長、「パンドランド」のユーザー拡大、有力IPタイトル2本の新規開発が主要な柱となる。「クラッシュフィーバー」は単独運営で利益貢献が大きく、9周年イベントも成功を収めた。10周年イベントに向けユーザー復帰を目的としたプロモーションも計画している。また、「パンドランド」は現在投資効果を得られるようなゲームへの改善を進めている。新規開発タイトルは年1本程度のリリースを目標としており、協業先と開発費の負担を分担することで、リスクを抑えながら進めている。

なお、同社は、通期の業績予想値を非開示としている。近年の世界のモバイルゲーム市場を取り巻く競合環境の変化が以前にも増して著しく、業績動向の精緻な予測が困難であることなどから、会社全体での合理的かつ信頼性のある業績予想の策定及び公表が困難であると考えているためである。なお、期間の経過等により適正かつ合理的な業績予想を行うことが可能になり次第、業績予想を速やかに開示する方針である。

また、配当に関しては、当面の間は内部留保の充実を図る方針であり、内部留保資金については、将来の成長に向けた運転資金として有効活用していく予定である。したがって、現時点においては配当実施の可能性及びその実施時期等については未定としている。当面は事業拡大のための投資が必要な状況であることから、短期的な配当金ではなく投下資金に対する将来のリターンに着目すべきと弊社では考えている。

2. タイトル別の見通し
(1) 「クラッシュフィーバー」
「クラッシュフィーバー」は、2025年8月期第1四半期では、9周年記念キャンペーンの終了による売上減少が見込まれている。しかし、同タイトルは運営10年目に突入し、再成長を目指す方針が示されている。具体的には、ユーザーの復帰を促進するためのプロモーションが計画されており、これが売上増に寄与する可能性がある。同タイトルは、長期間にわたって安定したユーザー基盤を有しており、このプロモーション次第では再成長の可能性も期待できると弊社では考えている。

(2) 「パンドランド」
「パンドランド」は現時点で投資が先行しており、投資対効果を注視し改善に努めているが、利益貢献に転じるまでには一定の時間を要すると予測される。このため、2025年8月期における大きな業績への寄与は見込まれないものの、中長期的には事業規模の拡大が期待される。

(3) 新規開発タイトル
中長期的な収益の拡大に向けて、新規開発タイトルに対しても引き続き積極的な投資を行う。2025年以降も年に1本程度の新規タイトルのリリースを目標としており、現在も協業先との有力IPタイトル2本を開発中である。これらのタイトルは、将来的な売上高の増加が期待される一方で、開発進捗に伴う費用増加は避けられない。現時点ではコスト先行の状態にあるため、短期的な業績への寄与は限定的である。しかし、同社の成長戦略の一環として新規タイトルの開発は極めて重要であり、今後の成長を支える要素となると考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)《HN》

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