27日の香港市場概況:ハンセン2.3%高で続伸、半導体セクター上げ目立つ

2024年11月27日 18:00

*18:00JST 27日の香港市場概況:ハンセン2.3%高で続伸、半導体セクター上げ目立つ
27日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比443.93ポイント(2.32)高の19603.13ポイントと続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が175.84ポイント(2.57%)高の7027.40ポイントと5日ぶりに反発した。売買代金は1389億1210万香港ドルにやや拡大している(26日は1222億8740万香港ドル)。


値頃感に着目した買いが相場を押し上げる流れ。前日のハンセン指数は4日ぶりに反発したが、上昇率は0.04%にとどまり、依然として約2カ月ぶりの安値水準で推移した。企業業績の持ち直しも期待される。寄り付き直後に公表された10月の工業企業利益は前年同月比10%減だったが、減少率は9月の27.1%から縮小した。また、前日発表された今年1~10月の国有企業・国有持株会社の利益総額は前年同期比で1.1%減少したものの、減益率は1~9月の2.3%から1.2ポイント縮小している。そのほか、追加経済対策の期待も根強い。当局は経済成長目標達成のため、金融・財政政策を強めるとの見方だ。金融政策に関しては、年内に預金準備率が引き下げられるとの観測も流れている。トランプ次期米政権の対中圧力が警戒される中、安く推移する場面がみられたものの、本土株の上げ幅拡大をにらみながら、香港の指数は引けにかけて一段高となった。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄は、ほぼ全面高(構成82のうち上昇80)。個別では、飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が7.2%高、宝飾小売チェーン大手の周大福珠宝(1929/HK)が6.9%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が5.4%高と上げが目立った。周大福珠宝については、中間決算が4割減益とさえなかったものの、最大20億香港ドルの自社株買い計画発表が材料視されている。


セクター別では、半導体が高い。上海復旦微電子集団(1385/HK)が8.0%、ASMPT(522/HK)が5.5%、華虹半導体(1347/HK)が5.0%、晶門半導体(2878/HK)が4.4%ずつ上昇した。


中国の保険・証券セクターもしっかり。中国人寿保険(2628/HK)が3.6%高、中国平安保険(2318/HK)が3.2%高、中国太平洋保険集団(2601/HK)が3.1%高、中信建投証券(6066/HK)が4.7%高、中信証券(6030/HK)が3.1%高と値を上げた。


消費セクターも物色される。スポーツ用品の中国動向(3818/HK)が10.6%高、小売の高キン零售(6808/HK)が7.9%高、家電のTCL電子HD(1070/HK)が5.7%高、粉ミルクの中国飛鶴(6186/HK)が5.6%高、酒造の華潤ビールHD(291/HK)が4.3%高、豚肉加工の中国雨潤食品集団(1068/HK)が2.9%高で取引を終えた。


一方、本土市場は4日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比1.53%高の3309.78ポイントで取引を終了した。ハイテク株が高い。医薬株、不動産株、通信・メディア株、金融株、インフラ関連株、公益株、資源・素材株、消費関連株なども上昇が目立った。

亜州リサーチ(株)《CS》

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