【株式市場特集】厳冬関連株に買い意欲高まる可能性、天気敏感株が新たなトレンドか
2024年11月26日 08:53
【日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部】
■ディフェンシブ銘柄で割安株の掘り起こし進む
AI半導体大手エヌビディアが11月20日の決算発表後、前週末の米国市場で急反落し、これまで市場をリードしてきた半導体関連株に調整ムードが広がっている。米国市場では景気変動の影響を受けにくいディフェンシブ株が買われ、東京市場でも同様の流れが予想される。特に厳冬を控え、アパレル株や暖房器具株、ホームセンター株、除雪関連株、タイヤ株、鍋料理関連株といった「天気敏感株」が注目される展開が想定される。割安な関連銘柄に注目し、腰を据えた投資が「天気」に基づく新たな活力を呼び込む選択肢として有望視されている。
■アパレルから水産まで、割安株の注目セクター広がる
アパレル株の「天気敏感性」発揮のターニングポイントとなりそうなカタリスト(株価材料)は、足元では本家の米国より早く前週末に始まりリアル店舗や通販サイトを賑わせている「ブラックフライデー」の動向や、12月早々に各社が相次いで発表予定の11月の月次売上高だろう。とくに月次売上高は、前月10月が猛暑の長期化で秋冬物の販売が伸び悩み軒並みマイナスとなっており、気温低下が、11月の月次売上高にどう影響するか、サプライズがあるのか明らかになるからだ。この動向を見極めてマークするのは、割安アパレル株となる。コード番号順にあげるとアダストリア<2685>(東証プライム)、ワールド<3612>(東証プライム)、ユナイテッドアローズ<7606>(東証プライム)、西松屋チェーン<7545>(東証プライム)、三陽商会<8011>(東証プライム)、ルックホールディングス<8029>(東証スタンダード)、青山商事<8219>(東証プライム)、AOKIホールディングス<8214>(東証プライム)、しまむら<8227>(東証プライム)などとなる。このうち青山商事は、今3月期業績の上方修正と大幅増配を発表し、年初来高値追いとなったが、年間配当利回りはなお5.9%と市場予想を大きく上回る。またユナイテッド・アローズ、西松屋チェーン、しまむらは値下がり率ランキングの上位に顔を並べた売られ過ぎから前週末は反発した。
暖房機器、除雪商品などを展開し割安放置が目立つセクターにホームセンター株がある。PBRが1倍を割りPER評価が割安な関連株を上げると、PER6.1倍のコーナン商事<7516>(東証プライム)以下、アークランズ<9842>(東証プライム)、バローホールディングス<9956>(東証プライム)、DCMホールディングス<3050>(東証プライム)、コメリ<8218>(東証プライム)と続いてベスト5で、コメリのPERは10.1倍である。石油ファンヒーターのダイニチ工業<5951>(東証スタンダード)と除雪用ショベルの浅香工業<5962>(東証スタンダード)も低PER・PBR銘柄である。
■「鍋開き」の佳境入りで万年割安の水産株、加熱器具株などにもアプローチ余地
「鍋開き」が佳境入りとなった鍋料理関連株もマーク対象となり、浮上するのが万年割安株の水産株と水産卸株である。水産株では極洋<1301>(東証プライム)、ニッスイ<1332>(東証プライム)、マルハニチロ<1333>(東証プライム)が、PER6倍~11倍でうち極洋とマルハニチロはPBRも1倍を割っている。水産卸株も多くがPBR1倍割れでPER4倍~10倍と割り負けており、大水<7538>(東証スタンダード)、中央魚類<8030>(東証スタンダード)、東都水産<8038>(東証スタンダード)、OUGホールディングス<8041>(東証スタンダード)などが要注目となる。
このほか水産練り製品の一正蒲鉾<2904>(東証スタンダード)、あじかん<2907>(東証スタンダード)、紀文食品<2933>(東証プライム)、鍋料理用固形燃料のニイタカ<4465>(東証スタンダード)、ガスこんろ・ガスボンベの岩谷産業<8088>(東証プライム)、鍋料理の外食産業の東京一番フーズ<3067>(東証スタンダード)、関門海<3372>(東証スタンダード)も、低PERの定番銘柄として外せない。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)