ベルシス24 Research Memo(5):2025年2月期第2四半期は、国策関連業務の影響で減収減益(2)
2024年11月22日 15:05
*15:05JST ベルシス24 Research Memo(5):2025年2月期第2四半期は、国策関連業務の影響で減収減益(2)
■ベルシステム24ホールディングス<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0618300?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><6183></a>の業績動向
3. 財務状況
2025年2月期中間期の資産合計は173,334百万円(前期末比2,131百万円減)となった。流動資産は29,564百万円(同1,267百万円増)となったが、これは主に営業債権が637百万円減少したが、現金及び現金同等物が1,823百万円増加したことによる。営業債権の減少は、売上収益減少に伴うものだ。非流動資産は143,770百万円(同3,398百万円減)で、これは主に使用権資産の償却等に伴い有形固定資産が3,652百万円減少したことによる。使用権資産とは、同社がリース期間中に事務所を使用する権利を持つ資産等のことで、家賃の支払いに伴い減少するものである。
負債合計は105,158百万円(前期末比2,568百万円減)となった。流動負債は57,591百万円(同8,992百万円増)となったが、これは主に借入金が5,300百万円、その他の流動負債が1,922百万円及び未払従業員給付が1,427百万円それぞれ増加したことによる。借入金の増加は、長期借入金からの振替によるものだ。非流動負債は47,567百万円(同11,560百万円減)であったが、これは主に長期借入金が8,494百万円及びその他の長期金融負債が2,729百万円それぞれ減少したことによる。長期借入金の減少は、1年以内の借入金の振替や約定返済によるものだ。資本合計は68,176百万円(同437百万円増)となったが、これは主に資本剰余金が2,215百万円減少したが、利益剰余金が3,024百万円増加したことによる。
以上から、有利子負債は53,040百万円(前期末比3,194百万円減)となった。また、親会社の所有者に帰属する中間利益の積上げによって、自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)は前期末比0.8ポイント上昇の38.8%となった。今後も利益の蓄積により上昇を続けると見られる。同社の自己資本比率は、2024年3月期東証プライム市場サービス業平均の5.9%を大きく上回る高水準である。また、同社のネットD/Eレシオ((借入金+長期借入金−現金及び現金同等物)÷資本合計)は0.65倍と前期末比0.08改善した。加えて、同社ではメガバンクとの間でコミットメントライン契約を結んでおり、不測の事態にも十分に備えている。また、2024年2月期のROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)は11.5%、ROA(資産合計税引前利益率)も6.4%で、2024年3月期東証プライム市場におけるサービス業平均のROE6.6%、ROA0.7%を大きく上回る高水準を維持している。同社が属するサービス業には様々なビジネスモデルの会社を含むため、同社と業界平均の単純比較は難しい面があるものの、同社の安全性及び収益性は極めて高いと評価できる。
4. キャッシュ・フローの状況
2025年2月期中間期末時点の現金及び現金同等物の残高は9,036百万円(前期末比1,823百万円増)であった。営業活動の結果得られた資金は12,563百万円で、これは主に、税引前中間利益4,665百万円、減価償却費及び償却費4,711百万円、未払消費税等の増加額1,920百万円、営業債権の減少額621百万円、法人所得税の支払額849百万円などによる。投資活動の結果使用した資金は1,637百万円で、これは主に有形固定資産の取得による支出728百万円、有価証券の取得による支出700百万円などによる。財務活動の結果使用した資金は9,087百万円となり、これは主に長期借入れによる収入5,000百万円、長期借入金の返済による支出7,500百万円、リース負債の返済による支出3,476百万円、配当金の支払額2,437百万円などによる。
以上から、同社が事業活動を通じて得た資金のうち、自由に使える資金を示すフリー・キャッシュ・フローは10,926百万円(前年同期比4,637百万円増)に増加している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)《HN》