川崎市の鷺沼駅前再開発、準備組合の本組合移行が認可 駅前街区は2031年度完成

2024年11月22日 10:09

 川崎市の東急電鉄鷺沼駅前で計画されている第一種市街地再開発事業(宮前区鷺沼など)について、同市の福田紀彦市長が、地権者らでつくる再開発準備組合の本組合移行を認可した。官民の施設が入る駅前街区と北街区を整備する計画で、駅前街区は2031年度、北街区は2035年度の完成を目指している。

【こちらも】川崎の登戸駅前に高さ140メートルの高層複合ビル、再開発組合設立が認可

 再開発が進められるのは、鷺沼駅前の約2.3ヘクタール。駅前と北の2街区に分けて整備を進める。駅前街区に鉄筋コンクリート一部鉄骨鉄筋コンクリート、鉄骨地下2階、地上32階建て延べ約8万4,000平方メートル、北街区に鉄筋コンクリート一部鉄骨地下2階、地上19階建て延べ約2万7,000平方メートルの施設を整備、地下通路とデッキで接続する。

 駅前街区の施設は低層階に商業施設、中層階に市民館と図書館、ホール、高層階に約340戸の住宅を入れる。北街区の施設は、低層階に宮前区役所、高層階に約110戸の住宅が入る。駅前街区には駅前広場や交通広場も設置する。

 当初は駅前街区の施設を37階建て、北街区の施設を20階建てとしていたが、コロナ禍後の社会ニーズの変化を考慮して計画を見直した。それでも駅前街区の施設は高さ133メートル、北街区の施設は89メートルあり、駅前のランドマークとなりそうだ。再開発の総事業費は約880億円と見積もられている。

 鷺沼駅前は1960年代以降に都市化が進んだ地域で、再開発に当たってコンパクトシティの要となる施設を駅前に集約、人口減少時代に備えた立地適正化計画を牽引する構想を官民で進めてきた。2025年度に権利変換計画の認可を受けたあと、駅前街区から工事に入り、駅前街区の完成後に北街区で工事を進める。全体の完成は2035年度を目標としている。(記事:高田泰・記事一覧を見る

関連記事

最新記事