MITホールディングス:業績好調な独立系システムインテグレーター、今後はDXソリューションに注力

2024年11月15日 13:50

*13:50JST MITホールディングス:業績好調な独立系システムインテグレーター、今後はDXソリューションに注力
MITホールディングス<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0401600?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><4016></a>は、システムインテグレーションサービス(開発、運用保守、インフラ構築等)及びソリューションサービス(デジタルブック、CAD、顔認証等)を提供している。

「情報サービス事業」の単一セグメントだが、事業領域を「システムインテグレーションサービス」と「DXソリューションサービス」の2つのサービスに区分。前期2023年11月期実績で売上高の86.5%を占めるシステムイングレーションサービスでは、システムインテグレーション、サーバ/ネットワーク設計構築、システム運用・保守サービス等、プロジェクトマネジメントを行っている。公共・通信・金融分野の開発実績やノウハウの蓄積が強みで、中央省庁向け年金システム、地方自治体予算管理システムなどを手掛けた。顧客との長期的な取引を継続しており、主要顧客である大手メーカー及び上場企業からの受注が全体の約72.3%(うち富士通グループ17.8%、日立グループ14.6%、NTTグループ9.4%、NECグループ6.9%、その他上場企業)を占め、安定的な成長を実現している。

一方、同13.5%を占めるDXソリューションサービスでは、デジタルブックの制作・配信サービス「Wisebook」を提供するデジタルマーケティングソリューション、2D/3D CADソフト「DynaCAD」および建設現場における足場の仮設計画図等のCAD製図サービスを提供する図面DXソリューションサービス、自社開発のクラウドサービスを展開するクラウドソリューションサービスを提供。Wisebookは低額・単月のプランから顧客に応じたカスタマイズまで対応しており、大手企業とOEM提携(NTTドコモ、キンコーズ)も行っている。また、DynaCADシリーズは発売開始から30年以上使われ続けており、国内11県庁・約200自治体で導入されている。

2024年11月期第3四半期累計の売上高は前期比10.1%増の3,871百万円、営業利益は同4.1倍の166百万円で着地した。第3四半期累計売上高・営業利益ともに過去最高を更新。システムインテグレーションサービスでは、「公共」「エネルギー」「運輸物流」分野のニーズを背景に主要顧客からの受注が堅調に拡大、大型案件受注による運輸物流での売上拡大も寄与した。また、DXソリューションサービスでは、高収益率のデジタルマーケティング、図面DXへの選択と集中を強化。Wisebookバージョンアップ案件の受注により売上高が拡大し、「DynaCADシリーズ」の販売保守及び、紙図面の電子化サービスや足場図面のCAD製図サービスの売上が堅調に推移した。通期の売上高は前期比9.9%増の5,260百万円、営業利益は同2.4倍の200百万円を見込んでいる。

同社は独立系システムインテグレーターとして、1990年の創業以来、30年を超える実績を積み重ねて幅広いITサービスを提供してきた。中期経営計画では2025年11月期の売上高60億円、営業利益率5%を発表していたが、2030年に向けた数値目標も開示しており、2030年までに売上高100億円、営業利益率10%を目指す。着実で安定的な成長が見込まれるシステムインテグレーションサービスは強固な顧客基盤を活かしてCAGR7%と安定成長を掲げ、DX市場の拡大を追い風にDXソリューションサービスの戦略的な拡大成長を計画している。2025年にDXソリューションサービスの売上比率を全体の20%に引き上げ、2030年までに全体の30%以上まで比率を高めていくようだ。株主還元では配当性向30%以上を目安に安定的かつ継続的な配当を維持することを基本方針としており、現段階で配当利回りで2.14%超を実現している。そのほか、同社はスタンダード市場の上場維持基準において流通株式比率は 41.9%で上場維持基準を充たしているが、「流通株式時価総額」が充足していない。「時価総額」の向上を中心に取り組んでおり、今後はM&Aによる業容の拡大・認知度の向上も積極的に実施していくようで、業績の底堅い成長が続くなか今後の動向に注目しておきたい。《NH》

関連記事

最新記事