12日の香港市場概況:ハンセン0.1%安で4日続落、本土株指数は反発

2024年11月13日 18:00

*18:00JST 12日の香港市場概況:ハンセン0.1%安で4日続落、本土株指数は反発
13日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比23.43ポイント(0.12%)安の19823.45ポイントと4日続落する一方、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は3.79ポイント(0.05%)高の7130.93ポイントと小幅ながら4日ぶりに反発した(ハンセン指数は約1カ月半ぶり安値)。売買代金は1846億1850万香港ドルに縮小している(12日は2342億2370万香港ドル)。


投資家の慎重スタンスが継続する流れ。米中関係の悪化懸念がくすぶっている。次期トランプ政権の人事を巡っては、国務長官に対中強硬派のマルコ・ルビオ上院議員を指名する見通しと伝わったほか、重要ポストに対中強硬派で知られる議員らの名前が相次ぎ挙げられた。「タリフ(関税)マン」を自称するトランプ次期大統領の公約では、中国からの輸入品に一律60%の関税をかける。米中の対立は不可避だ。そのほか、米金利高が重しとなったほか、中国の企業業績や経済動向を見極めたいとするスタンスも買い手控え要因として意識されている。


もっとも、下値を叩くような売りはみられない。米国の対中圧力強化が中国経済に悪影響を及ぼすと危惧される中、市場では、中国当局が金融緩和や産業支援、消費刺激など追加の経済対策を打ち出すとの期待が高まっている。ハンセン指数は下げ幅を縮小し、本土株指数はプラスに転じた。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、医薬品開発受託機関(CRO)など創薬支援関連の下げが目立つ。無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が4.1%安、薬明生物技術(2269/HK)が3.4%安で引けた。


自動車セクターも安い。小鵬汽車(9868/HK)が4.5%、蔚来集団(9866/HK)が4.2%、吉利汽車HD(175/HK)と東風汽車集団(489/HK)がそろって1.8%ずつ下落した。


中国の不動産セクターもさえない。雅居楽集団HD(3383/HK)が3.2%安、万科企業(2202/HK)が2.3%安、越秀地産(123/HK)が2.6%安、建発国際投資集団(1908/HK)が2.5%安と値を下げた。


半面、スマートフォンの部材・組立関連は高い。丘タイ科技(1478/HK)が3.7%、高偉電子(1415/HK)が2.3%、富智康集団(2038/HK)が6.9%、比亜迪電子(BYDエレクトロニック:285/HK)が1.0%ずつ上昇した。


他の個別株動向では、希土類磁石メーカー大手の江西金力永磁科技(JLマグ・レアアース:6680/HK)が3.2%高。同社は12日、自社が手がける高性能ネオジム磁石について、人型ロボット(ヒューマノイドロボット)向けでの需要拡大に期待を示したことが支援材料。世界的に有名な顧客と共同で人型ロボット向け磁石の研究開発を進めており、小ロットの納品を開始していることを明らかにした。また足元では、上海、北京、武漢など各地方政府が人型ロボット産業の発展支援策を相次ぎ発表している。


一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.51%高の3439.28ポイントで取引を終了した。通信ネットワーク株が高い。石油・石炭株、公益株、銀行・保険株、消費関連株なども買われた。半面、医薬株は安い。軍事関連株、不動産株、証券株も売られた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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