東リ、高付加価値製品の拡販注力や販売価格の底上げ等が寄与し、2Q売上高・売上総利益は前年を上回る進捗

2024年11月12日 09:32

目次

永嶋元博氏:こんにちは。東リ株式会社代表取締役社長の永嶋です。ただいまより、2025年3月期中間期の決算説明を行います。

本日は、決算概要と中期経営計画の進捗及びトピックス、並びに今後の見通しなどについてご説明したいと思います。

2025年3月期 第2四半期(中間期)連結決算概要

それでは、まず、11月1日に発表しました、中間期決算概要についてご説明します。

2025年3月期の中間連結業績はご覧のとおりです。当中間期においては、大型の新製品発売、並びに製品改廃があり、その販促活動の強化や、当社独自の高付加価値製品の拡販に注力するとともに、販売価格の底上げに努めた結果、売上高と売上総利益は前年を上回りました。

一方で、サプライチェーン全体にわたる労務費の上昇に加え、原材料価格のさらなる上昇など、コスト上昇圧力の強い事業環境が続きました。

また、物流費や人件費、販売促進費などの販管費が増加したことにより、営業利益は前年を下回りましたが、販管費の効率的運用に努めたことにより、期初予想を上回る結果となりました。

連結営業利益率 及び 製品分野別連結売上高の推移

続きまして、製品分野別の連結業績推移についてご説明します。

ビニル系床材では、ワックスメンテナンスが長期間不要なビニル床タイル「イークリンNW-EX」や、接着剤が不要な裏面吸着タイプの簡単リフォーム床材「LAYフローリング ピタフィー」などが、タイルカーペットでは、環境対応ニーズを捉えた「GA-3600 サスティブバック」などが機能性や環境対応面での独自性を高く評価され、数量ベースで大きく伸長するなど、全体の売上高や売上総利益の増加に寄与しました。

連結営業利益 増減要因

次に、連結営業利益の主な増減要因についてポイントをご説明します。

当中間期では、原材料コストのさらなる上昇に加え、サプライチェーン全体における労務費の上昇や減価償却費の増加などが製造原価を押し上げる要因となりました。

一方で、「TOLI完全循環型リサイクルシステム」の中核を成すタイルカーペットリサイクル・2号プラントの本格稼働をはじめとした製造原価低減活動に加え、販売価格の底上げや高付加価値製品の拡販に努めたことなどにより、売上総利益が改善しました。

販管費では、先ほど来のご説明のとおり、物流費や販売促進費、人件費などが増加しました。

結果としまして、連結営業利益は期初の計画を上回ったものの、2億9,100万円の減益となりました。

連結貸借対照表

次に、連結貸借対照表について、特徴的な要件のみご説明します。資産の部の内、流動資産の減少は、主として前期末からの売上債権の減少によるものです。

固定資産では、滋賀事業所・TCPリサイクル2号プラントの稼働や、伊丹事業所における新混練工場の進捗などにより、有形固定資産が増加しました。

負債の部では、季節変動要因による仕入債務の減少が主な減少要因となります。

中期経営計画「SHINKA Plus ONE」概要

続きまして、中期経営計画の進捗状況及び主なトピックスについてご報告します。

中期経営計画「SHINKA Plus ONE」は、ご覧のように、重点戦略「A」から「E」までの5つの重点戦略をベースとした各取り組みテーマに実行戦略を紐づけ、長期ビジョン達成に向けた取り組みを進めています。

本日は、当中期経営計画の核となる3大設備投資の進捗報告と、当中間期におけるトピックスをご紹介します。

成長の核となる3大設備投資の概要と進捗

まず、「SHINKA Plus ONE」の中核をなす3大設備投資の当中間期における進捗について、ご説明します。

現中計の核となる3大設備投資とは、「タイルカーペットリサイクルプラント」「カーペット用ナイロン紡糸設備」「広化東リフロア新3号ライン」の3つです。

一番上にあります「タイルカーペットリサイクルプラント」は、「産業廃棄物排出量の削減」「スコープ3でのCO2排出量削減」「製造原価低減」といったさまざまな効果を狙ったものです。

スライドでお示ししていますのは、本年4月より稼働したタイルカーペットリサイクル2号プラントです。

当プラントの稼働により、タイルカーペットのリサイクル処理能力は従来の約3.5倍に増強され、産業廃棄物排出量の削減にも大きく寄与します。

また、当プラントで製造したリサイクルチップを活用した環境配慮型タイルカーペット「GA-3600 サスティブバック」の販売数量は、当期も好調に推移しました。

引き続き、メーカーとしての強みを活かすべく、競争優位性の高い製品開発と収益力強化に加え、環境負荷低減に向けた取り組みを推進していきます。

「SHINKA Plus ONE」トピックス①

それでは、当中間期におけるトピックスをご報告します。まず1つ目は、7月に新製品を投入したタイルカーペット「GXシリーズ」のご紹介です。

GXシリーズは、オフィスやホテル、商業施設市場をメインターゲットとするデザイン性の高いグラフィックタイルカーペットシリーズです。

今回の改廃では、柄の繋がりや質感など、細部にまでこだわった商品や大版で特徴的なデザイン表現の商品などを多数投入し、高級感・多彩さ・軽やかさを感じるラインアップへと刷新しました。

また、今回の新製品は、いずれも当中計3大設備投資の1つである、カーペット用ナイロン紡糸設備による自社内製糸を使用しており、こだわりのデザインを自社内製糸で賄う、独自性の高いモノづくりへと進化を果たしました。

「SHINKA Plus ONE」トピックス②

続きまして、T.LEAGUEとの取り組みについてご報告します。

T.LEAGUEは、卓球のセミプロリーグですが、そのT.LEAGUEの一部の試合に当社の専用フロアマットを敷設し、来シーズンからの本格運用を目指して実地検証を進めています。

スポーツ市場への業際探索は、メーカーとしての技術力を活かして臨む、当社グループの重要テーマの1つです。今後も、T.LEAGUEとの連携のもと、プレーする選手にとっても満足度の高いフロアマットのご提供で、リーグ運営活性化の一翼を担っていきたいと思います。

2025年3月期 連結業績見通し

続きまして、2025年3月期の通期業績見通しについてご説明します。

当期は、中期経営計画「SHINKA Plus ONE」の最終年度となります。当中間期は、販売価格の底上げや製造原価低減、販管費の効率的運用によって利益計画は期初予想を上回るかたちとなりましたが、原材料価格をはじめ、人件費や物流費等のさまざまなコストのさらなる上昇が見込まれており、通期の業績見通しは据え置くこととしました。

このような状況の中、中期最終年度経営指標とする連結売上高1,000億円以上、連結営業利益40億円以上、連結ROE7.0パーセント以上、リサイクル率85パーセント以上、産業廃棄物排出量40パーセント以上削減の全項目を達成すべく、現中計の核となる3大設備投資をさらに進展させ、独自性の高い新製品の開発と製造原価の低減、並びに環境負荷低減に向けた取り組みを進めていきます。

株価・出来高(月合計)の推移

最後に、株式関連情報についてご説明します。

株価及び月合計の出来高推移については、ご覧のとおり、多少の揺れ動きはあるものの、一昨年の後半以降、流動性の高まりとともに株価も上昇基調にあります。

今後の資本政策について(11/1発表)

最後に、今後の資本政策についてご説明します。

当社は11月1日に、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」のアップデート版を発表しました。

中期経営計画をベースにさまざまな取り組みを推進してきた結果、当社の事業収益力は改善傾向にありますが、依然として当社の株価は割安で推移しているものと認識しています。

PBRの改善に向けたさらなる取り組みについては、現中計の推進とともに、次期中期経営計画の策定を進めていきます。成長戦略並びに目指すべき経営指標に加え、キャピタルアロケーション計画を策定中であり、2025年4月上旬の公表を予定しています。

また、次期中計期間における株主還元の考え方については、企業価値向上に資する研究開発や生産設備などへの投資に向けた内部留保の確保と、株主還元のバランスに配慮するとともに、業績並びに資金需要等を総合的に勘案した上で、連結配当性向50パーセント、またはDOE3.5パーセントを目安に安定的な配当を継続的に実施することとし、年間配当は19円を下限とします。

また、株主資本の最適化に向けて政策保有株式の売却並びに自己株式の取得を弾力的に実施し、総還元性向は次期中期3ヶ年平均で70パーセント以上を目指していきます。

将来見通し等に関する注意事項

以上をもちまして、2025年3月期中間期の決算説明とします。

今後も、株主・投資家のみなさまへの情報発信、並びにコミュニケーション機会の充実に努めていきます。引き続きご指導ご鞭撻のほど、お願い申し上げます。ご清聴ありがとうございました。

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