1日の中国本土市場概況:上海総合0.2%安で反落、ハイテクと自動車に売り
2024年11月1日 16:45
*16:45JST 1日の中国本土市場概況:上海総合0.2%安で反落、ハイテクと自動車に売り
1日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比7.81ポイント(0.24%)安の3272.01ポイントと反落した。
様子見ムードが漂う流れ。11月第2週は米国の大統領選や、中国の重要会議が控えている。5日投開票の米大統領選に関しては、早ければ7日までに結果が判明するもよう。トランプ米大統領が優勢と伝わる中、対中圧力の強化が懸念された。11月4〜8日に開催される全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の第12回会議では、大型財政政策が決定されるとの観測が流れているが、内容を見極めたいとするスタンスも強まっている。また、中国製電気自動車(EV)や先端技術分野の対中投資を巡り、欧州連合(EU)や米国との対立が深まっていることも不安材料だ。
もっとも、下値は限定的。中国景況感の改善などが相場を下支えしている。取引時間中に公表された10月の財新中国製造業PMI(民間集計)は50.3に拡大し、景況判断の境目となる50を再び回復した(9月は49.3)。先行して前日発表された国家統計局などによる製造業PMIは市場予想(49.9)を上回る50.1となり、節目の50を6カ月ぶりに超えている。指数は小高く推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)
業種別では、ハイテク関連の下げが目立つ。IC設計の上海貝嶺(600171/SH)やパワー半導体の杭州士蘭微電子(600460/SH)、通信インフラ設備メーカー大唐電信科技(600198/SH)などがストップ(10.0%)安、ディスプレー基幹部品の彩虹顕示器件(600707/SH)が5.1%安、フラッシュメモリー中国大手の北京兆易創新科技(603986/SH)が4.3%安、産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が2.4%安で取引を終えた。
自動車株も安い。金杯汽車(600609/SH)が9.3%、安徽江淮汽車集団(600418/SH)が8.2%、東風汽車(600006/SH)が4.4%、北汽福田汽車(600166/SH)が3.7%ずつ下落している。証券株、軍事関連株なども売られた。
半面、資源・素材株は物色される。レアアースの中国北方稀土(600111/SH)がストップ(10.0%)高、非鉄の洛陽モリブデン(603993/SH)が4.3%高、産金の紫金鉱業集団(601899/SH)と石炭の中国神華能源(601088/SH)がそろって2.6%高、石油の中国石油天然気(601857/SH)と鉄鋼の宝山鋼鉄(600019/SH)がそろって2.5%高、化学品の万華化学集団(600309/SH)が1.7%高で引けた。レアアース各社に関しては、市況高の思惑も刺激材料。主要なレアアース採掘国ミャンマーで、武装勢力が中国・雲南省に隣接する鉱山の支配権を握ったと先ごろ報じられた。供給混乱の恐れもある。そのほか、不動産株、銀行・保険株、公益株、海運株も買われた。
外貨建てB株相場は、上海B株指数が1.55ポイント(0.56%)安の276.16ポイント、深センB株指数が3.67ポイント(0.30%)安の1233.03ポイントで終了した。
亜州リサーチ(株)《CS》