BeeX、2Q累計の売上高・営業利益が大幅増 ストック要素の拡大とクラウドインテグレーション案件の大型化が貢献

2024年10月22日 16:55

01. 事業概要

広木太氏:みなさま、こんにちは。株式会社BeeX代表取締役社長の広木太です。本日は、2025年2月期第2四半期の決算についてご説明します。

本日、お話しする内容は4点です。1点目は事業概要、2点目は第2四半期決算概要、3点目は業績予想、4点目は成長戦略です。まず、事業概要についてご説明します。

会社概要

会社概要です。弊社は、2016年3月に創業し、クラウドを専門としたシステムインテグレーションを行っています。クラウドを専門としていることが第1の特徴となっています。

BeeXのマルチクラウド対応力

クラウドにもさまざまなプラットフォーマーがあります。クラウドサービスを提供している世界的に有名な会社は3つあります。Amazonの「Amazon Web Services」(通称AWS)、Microsoftの「Azure」、Googleの「Google Cloud」の3つになります。

弊社は、この3つすべてを手がけるマルチクラウド(複数のクラウドサービスを組み合わせて運用すること)のシステムインテグレーターであるというのが第2の特徴です。

AWSに関しては、創業当初から手がけています。AWS認定のパートナー制度があり、弊社は、最上位のプレミアティアサービスパートナーというパートナーランクに位置しています。

プレミアティアの認定を受けているのは日本においては15社のみで、その多くは大手のシステムインテグレーターです。弊社は、創業から間もない、200名に満たない会社ですが、今までの実績や知見などをAWSから評価され、最上位のパートナーとして認定されています。

SAPの認定パートナーであるという点も、弊社の大きな特徴です。SAPは、ドイツのERPパッケージのベンダーで、大企業を中心に基幹システムに用いられているパッケージを提供しています。SAPの認定パートナーであることから、大企業を中心とした、企業の重要な基幹システム向けに最新のクラウドテクノロジーを活かしたビジネスを行っています。大企業を中心とした強固な顧客基盤を持っているのが、第3の特徴となります。

事業内容

「AWS」「Azure」「Google Cloud」の3つのサービスとSAPを組み合わせて、どのような事業を展開しているかについてご説明します。

事業内容は、大きく3つあります。1つ目は、クラウドインテグレーションです。クラウドを専業としたシステムの構築です。

2つ目は、クラウドライセンスリセールです。「AWS」「Azure」「Google Cloud」のライセンスの販売を行っています。ライセンス販売と言いましても、電気代に近いかたちをイメージしていただければと思います。毎月の使用量に応じて、その料金をいただくというビジネスになっています。

3つ目は、マネージドサービスプロバイダーです。クラウド環境の運用・保守を行っており、24時間365日を通して監視を行い、障害が起きた場合に対応します。また、クラウドは日進月歩で進化していくため、その進化に合わせた対応も行います。

3つの事業をさらに2つに大別すると、クラウドインテグレーションがフロー型のビジネスとなります。お客さまからの「このようなシステムを作ってほしい、検討してほしい」というリクエストを受けて、システムの設計から構築し、その対価をいただくフロー型ビジネスです。

クラウドライセンスリセールとマネージドサービスプロバイダーは、毎月の利用量や運用の契約内容に基づいて料金をいただくストック型ビジネスとなっています。

フロー型とストック型のビジネスを組み合わせることによって、ストックによる安定した売上と利益を確保しつつ、フロー型では日々進化する新テクノロジーを活用した新しい挑戦を行っている点が弊社のビジネスモデルの強みとなります。

KPIハイライト

第2四半期の決算についてご説明します。KPIハイライトです。全体売上高は44億7,800万円、前年同期比24.9パーセント増です。全体営業利益は3億8,700万円、前年同期比21.4パーセント増となっています。

従業員数については、当期純増予定数20名を目標としているのに対して、第2四半期が終わった時点で9名純増という結果になっています。従業員数も順調に増えている状況です。

他のKPIについては、後ほど細かくご説明します。

業績サマリ 前年同期比較

売上利益について、前年同期と比較して可視化したグラフをスライドに記載しています。売上高は24.9パーセント増、売上総利益は20.6パーセント増、営業利益は21.4パーセント増、経常利益は19.9パーセント増となっています。

売上・利益ともに、引き続き堅調に成長しています。

サービス別売上高

スライドは、サービス別売上高のグラフです。赤い点線で囲んでいるところがストック型ビジネスです。ストック型ビジネスは、ずっと右肩上がりで成長しています。その上で、クラウドインテグレーションを行うビジネスになっています。

第2四半期においては、ストック型ビジネスが堅調に伸びている一方で、クラウドインテグレーションが少し落ちているように見えるかと思います。クラウドインテグレーションの売上が落ちているのは第1四半期に官公庁向けの大型プロジェクトがあり、売上が突出して上がったことが影響しています。

第1四半期の反動で、第2四半期は少し落ちて見えますが、全体としてはクラウドインテグレーションの昨年の四半期ごとの売上高が6億円程度だったのに対して、今年は7億円程度となっています。年度ごとに大きく成長しているのが見ていただけると思います。

クラウドライセンスリセール売上の推移

売上高の内訳についてご説明します。クラウドライセンスリセールは、第1四半期から第2四半期において売上高が伸びています。

クラウドライセンスリセールビジネスアカウント数推移

スライドのグラフは、売上を支えているビジネスアカウント数を表しています。ビジネスアカウントとは、「AWS」「Azure」「Google Cloud」の契約数を指します。システムごとに複数の契約を持っている顧客もいるため、顧客数ではなく、契約数となっています。

特に、2025年2月期第1四半期から第2四半期にかけては、ビジネスアカウント数が大きく増えています。後ほどご説明しますが、アカウント数を増やすためのさまざまな施策や、AWSサミットのようなイベントの取り組みが功を奏して、新しいアカウントを獲得できている状況です。

新しいアカウントが増えてすぐに売上になるわけではなく、契約した次の月から売上に寄与するため、この後の第3四半期などには、売上が伸びていく材料がそろっていることをご確認いただけるかと思います。

マネージドサービスプロバイダー売上、ユーザー数の推移

スライドは、マネージドサービスプロバイダーの売上とユーザー数の推移です。第1四半期から第2四半期において、売上が伸びています。ユーザー数に変化はありませんが、堅調に伸びていることを見ていただけるかと思います。

クラウドインテグレーション受注件数・四半期売上高の推移

フロー型ビジネスとなる、クラウドインテグレーションの受注件数です。こちらも第1四半期、第2四半期ともにおよそ130件から180件ぐらいの間で推移しており、安定した受注ができていることをご確認いただけるかと思います。

貸借対照表の推移 ~健全な財務基盤~

貸借対照表の推移です。こちらも、健全な財務基盤を維持できていることがご確認いただけるかと思います。

以上、第2四半期の決算についてのご説明です。続いて、通期の業績予想についてお話しします。

2025年2月期 業績予想(当初予想から変更なし)

2025年2月期の業績予想は、当初予想から変更なしとしています。

2025年2月期 業績予想 進捗状況

第2四半期までの進捗状況です。年間目標に対する進捗は、売上高が47.3パーセント、営業利益が59.7パーセント、経常利益が61.1パーセントと、目標に対してしっかりと進捗していることがご確認いただけるかと思います。

2025年2月期 下期の重点施策

2025年2月期下期の重点施策として、今後の成長のために2つの投資を考えています。

1つ目は、マーケティング戦略です。上半期には、AWSサミットと呼ばれるAWS最大のリアルイベントがありました。他にもいくつかマーケティング戦略を行う予定でしたが、このリアルイベントに投資をかなり集中させました。

下期は、さらに追加で投資をしていきたいと思っています。特に、我々が今まで手がけられていなかった、WebやSNS、動画配信などのデジタルマーケティングに対して、投資をしていきたいと考えています。大小さまざまなリアルイベントも継続で実施し、来期のビジネスを伸ばしていく材料を作ろうと考えています。

先ほど、マーケティング戦略が功を奏し、新しいライセンスのアカウントが増えたというお話をしました。しかし、ライセンスリセールの世界では、我々はまだ決して有名なわけではないため、知名度を上げていく必要があると考えています。マーケティング活動を積極的に行い、認知度をあげ、さらなる成長を目指したいと考えています。

2つ目は、人材の採用と育成です。上半期は、中途契約や中途採用による9名の純増となり、目標どおり順調に進んでいます。

下期も、エンジニアや営業の採用を継続して行っていきます。また、上期にはできなかった求人サイトへの広告出稿や新しい施策などにも積極的に投資していきたいと思っています。

特に、我々は、今まで新卒を採用せずに中途採用だけを行ってきましたが、中途採用のみでは人が偏ってきてしまいます。そのため、新卒採用にも力を入れていきたいと思っています。

マーケティングおよび人材採用・育成の2つを継続し、成長に向けてしっかりと投資を行っていきたいと考えています。

SAPシステムのクラウド化・S/4HANA化支援

3つの成長戦略についてお話しします。1つ目は、基幹システムのクラウド化、モダナイズ化です。

我々のビジネスのコアとなっているのは、SAPシステムを中心とした、基幹システムのモダナイズム化とクラウド化です。現在多くのお客さまに利用されている「SAP ERP 6.0」の標準サポートが2027年、有償の延長サポートが2030年に終了するとアナウンスされています。

SAPシステムは、大企業のシステムを中心に基幹システムで多く採用されているため、企業は対応を迫られている状況です。現行のシステムを新しいバージョンである「SAP S/4HANA」にコンバージョンする、また、あわせてクラウド化するということが、我々のビジネスのコアとなっているところです。

人材採用や育成により力をつけて、継続して進めていきたいと考えています。いずれにしても需要はあるため、いかに社員の採用やビジネスパートナーの活用を進め、ビジネスを拡大させていくことができるかというところがポイントだと考えています。

代表導入事例

1つ目の成長戦略に関するトピックスをお話しします。多くのお客さまのクラウド化を継続して支援していますが、2件の事例を公開しています。YKKさまとEMデバイスさまです。クラウド化することによって、システムの柔軟性とパフォーマンスを上げ、なおかつコストも削減することができた事例となっています。

クラウドの移行は、ゆっくり進めればそれだけ安全にできますが、時間をかければかけるほどお客さまに余計な負担を強い、移行のためのコストをかけさせることになってしまいます。我々はクラウドの移行を多く手がけていますので、そのノウハウをもとに短期間で、かつダウンタイムを短くして移行することを得意としています。

今後も、多くのお客さまのクラウド移行に加えて、S/4HANA化の取り組みを行っていきます。

データプラットフォーム構築/アプリケーション開発

成長戦略の2つ目は、デジタルトランスフォーメーションです。特に我々が力を入れているのは、企業をデータ駆動型に変えていく部分です。DXにおいて大事なのは、データに基づいて変革を行っていくことであると考えています。

本筋のデジタルトランスフォーメーションの実現のためには、デジタルツールを導入するデジタル化だけではなく、データ駆動型に企業を変えていくことが重要だと思っています。

我々は、SAPシステムのクラウド化により企業にとって重要なデータをクラウド上に保存しています。しかしながら、それが活用されていないという課題があります。

データの活用を推進するため、クラウド上のデータだけでなく、例えば工場の現場のデータなど、IoTというテクノロジーを使って集約する、企業外のマーケティングデータなどを集約するというデータ分析のための基盤構築に力を入れています。このような企業データを集めて分析することにより、新たなインサイトを得ます。我々は、基幹システムとクラウドに特化しているため、この分野で多くの引き合いをいただいています。

また、モダンアプリ開発として、新しくDXを実現するためのアプリケーション開発も行っています。このアプリケーション開発もアジャイル開発という方法を使い、クラウドに最適化されたアプリケーション開発を行っています。

安全かつ効率的な生成AI環境構築支援サービスを提供開始

DXの話題として、特に世間を賑わせているのがAIの活用、とりわけ生成AIの活用だと思います。企業が生成AIを活用するためには、セキュリティを担保するのかが非常に重要です。

AIを活用して、重要なデータが外に漏れてしまうようなことは起きてはならないということです。そのようなセキュアな環境で生成AIを活用できる構築サービスも、今期新たに提供を開始しています。

AWSクラウド伴走支援サービスを提供開始

生成AIのサービスに加え、「AWSクラウド伴走支援サービス」の提供を開始しました。大きく2つのサービスがあり、1つ目が「継続的改善サービス with WAS Well-Architected」です。

クラウド導入当初はベストプラクティスに基づいていても、クラウドを継続的に使用していると、ベストプラクティスから外れる、あるいは運用が属人化するという課題を抱えているお客さまが多くいらっしゃいます。

このようなお客さまは、クラウドの利活用がなかなか進んでいないという悩みを持っています。そのような悩みを持つお客さまに対し、「AWS Well-Architected Framework」と呼ばれるベストプラクティスに基づき、定期的にレビューを行い、改善を支援するサービスの提供を開始しました。一過性のサービスではなく、繰り返し行う点が特徴となっています。

2つ目は「内製化支援コンサルティング」です。DXの推進において重要なのは、お客さま自身がクラウドを活用する力を持つことです。とはいえ、お客さま自身がクラウド上アプリケーションの開発経験があることはなかなかないため、このようなお客さまに対して、我々のノウハウを提供するのが「内製化支援コンサルティング」です。

どちらも一過性のサービスではなく、お客さまの成長に伴走する継続的なサービスであることが特徴となっています。

マルチクラウド対応マネージドサービス

成長戦略の3つ目は、マルチクラウドリセール/MSPです。繰り返しお伝えしているストック型ビジネスの成長戦略となります。ストック型のライセンスリセールとマネージドサービスの両方において、ライセンスを単純に販売するだけでなく、その後のサポートを行うことにより、クラウドの利活用を推進することに力を入れています。

ライセンスリセールの拡大

ライセンスリセールにおいて、もともと我々は基幹システムマイグレーションを得意としています。今までオンプレミスにあったシステムをAWSにあげ、ライセンスリセールによって利用料をいただき、運用・保守を委託いただくことによってマネージドサービスプロバイダーの売上が生じます。これが一番のコアとなっているビジネスです。

最近では、公共部門に対するクラウドインテグレーションというビジネスも多く引き合いをいただくようになりました。このような公共部門への販路拡大や、今まで我々が扱っていなかったSMBエリアの販路拡大も、さまざまなマーケティング施策を行うことにより、今後伸ばしていきたいと考えています。

今、こういった施策が確実に実を結び始め、新しいアカウントを獲得できています。

コスト最適化を支援する伴走支援サービスを提供開始

マルチクラウドリセールリセール/MSPに関しても、新しいサービスを提供開始しました。ライセンスリセールの中で、お客さまから多く悩みの相談をいただくのが、クラウドのライセンスは利用状況に応じて利用料が増えるため、余計なコストがかかっていないかわかりにくいということです。

クラウド利用費用の最適化に対し、もともと「BeeX Service Console」というコスト分析サービスを提供していました。AWSのライセンスリセールを提供しているすべてのお客さまに無料で提供しており、お客さまの日々のコスト発生状況を確認できます。トータルの金額だけでなく、AWSのいろいろなサービス、部門単位の利用状況などを日々ウォッチできるサービスです。

「オブザーバビリティサービス」は、システムの使用状況を確認し、過剰なリソースがないか、無駄にサーバーやストレージを使っていないかをチェックして、コストの最適化に向けたアドバイスをするサービスとなっています。

今回新しくリリースされた「Fin-Opsサービス」です。今までの「BeeX Service Console」「オブザーバビリティサービス」は材料を提供しているかたちですが、このような材料をより攻めの姿勢で、お客さまに伴走しながら最適化するサービスになっています。

クラウド利用料の可視化をより進めるための設計や、無駄なコストが発生していないか、どのような契約にすればコストが下がるかなど、お客さまの立場で支援するようなサービスになっています。

単純にライセンスリセールを行うだけでなく、お客さまのコストの最適化を一緒に行っていきます。これらのサービスを提供することにより、より最適化したかたちでクラウドを活用し、ライセンスリセールを伸ばしていきたいと考えています。

以上、3つの成長戦略をお伝えしました。

Our Vision

我々は、このようなクラウドを活用してシステムの改善を行い、より経済を活性化させていくことをミッションに掲げています。特に、クラウドというテクノロジーは非常に変化が激しく、お客さまも追い切るのがなかなか大変になっています。

我々はクラウドの専門家として、お客さまに伴走し、お客さまの真のパートナーになれるように精進しながら、よりよい世界を作っていく、よりよい社会を作っていくことに貢献していきたいと思っています。株主のみなさまにも、引き続きご期待いただくとともに、応援していただければと思います。

以上、ご説明は終了します。本日は、長い間お付き合いいただき、ありがとうございました。

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