21日の中国本土市場概況:上海総合0.2%高で続伸、銀行株安で上値は限定

2024年10月21日 17:14

*17:14JST 21日の中国本土市場概況:上海総合0.2%高で続伸、銀行株安で上値は限定
週明け21日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前営業日比6.55ポイント(0.20%)高の3268.11ポイントと続伸した。

中国の景気支援スタンスが引き続き支えとなる流れ。寄り付き前に発表された実質的な政策金利となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、銀行貸出の指標となる1年物LPRが3.35→3.10%(予想は3.15%)、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRが3.85→3.60%(予想は3.65%)と予想以上に引き下げられた。また、中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝・総裁は18日、預金準備率の引き下げについても言及している。そのほか人民銀は18日、上場企業の自社株買い、大株主による上場企業株の買い増しを支援する再融資制度の創設を発表した。ただ、上値は重い。当局は矢継ぎ早に支援策を打ち出したが、前週末の上昇が大きかっただけに、好材料の出尽くし感も意識された。指数は安く推移する場面もみられている。(亜州リサーチ編集部)

業種別では、ハイテク関連の上げが目立つ。IC設計の上海貝嶺(600171/SH)がストップ(10.0%)高、LED基盤・チップ中国最大手の三安光電(600703/SH)が4.6%高、半導体デバイスの上海韋爾半導体(603501/SH)が3.2%高、フラッシュメモリー中国大手の北京兆易創新科技(603986/SH)が2.5%高、スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)が2.1%高で引けた。習近平・国家主席が「ハイテク支援を巡り政策の改善が必要」と述べるなど、このところ中国当局は、先端技術産業の発展を重視する姿勢を強めている。

産金・非鉄株も高い。紫金鉱業集団(601899/SH)が3.3%、中金黄金(600489/SH)が3.1%、山東黄金(600547/SH)が2.0%、洛陽モリブデン(603993/SH)が4.0%、中国アルミ(601600/SH)が2.5%ずつ上昇した。商品市況高が追い風。中東地域の地政学リスクが意識される中、金先物価格は21日朝方、史上最高値を更新した。上海期貨交易所(上海商品先物取引所)では、主要産品が高く推移している。軍事関連株、運輸株、不動産株、医薬株、インフレ建設株なども買われた。

半面、銀行株はさえない。中国工商銀行(601398/SH)が2.5%、中国農業銀行(601288/SH)が2.4%、中国銀行(601988/SH)が2.0%、中国郵政儲蓄銀行(601658/SH)が1.8%ずつ下落した。予想以上の利下げを受け、利ザヤが縮小すると不安視されている。エネルギー株、公益株、消費関連株、保険・証券株も売られた。
外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.42ポイント(0.15%)高の272.30ポイント、深センB株指数が5.76ポイント(0.47%)高の1237.96ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《CS》

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