デイトナ Research Memo(6):2024年12月期第2四半期は上期ベースの期初予想を達成(1)
2024年10月18日 15:06
*15:06JST デイトナ Research Memo(6):2024年12月期第2四半期は上期ベースの期初予想を達成(1)
■業績動向
1. 2024年12月期第2四半期の業績概要
デイトナ<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0722800?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><7228></a>の2024年12月期第2四半期の連結業績は、売上高6,838百万円(前年同期比1.4%増)、営業利益769百万円(同13.7%減)、経常利益795百万円(同8.4%減)、親会社株主に帰属する中間純利益554百万円(同4.9%減)となった。上期予想に対する達成率は、売上高は102.9%、営業利益は110.9%、経常利益は113.6%、親会社株主に帰属する中間純利益は113.8%と、売上高、各利益ともに目標を達成した。第2四半期の業績予想については、コロナ特需の反動減を見込み、やや保守的な予想であったが、売上高について四半期単体で見ると、第1四半期は同6.1%減と落ち込んだ。しかし、第2四半期は単体ベースで同8.0%増と盛り返しを見せ、計画達成を果たした。事業別に見ると、国内拠点卸売事業では、第1四半期に流通各社の在庫調整や物価高の影響で高価格帯商品の販売不振が響いたが、第2四半期には徐々に回復した。小売事業においては、ユーザーの消費行動の変化による来店客数の減少や高額カスタムニーズの減少などによりわずかに減収となった。一方でアジア拠点卸売事業は、国内拠点卸売事業や小売事業の不調を補う好調を見せた。インドネシアでは販売網整備により商品供給が拡大してブランド認知が進み、スクータータイプのオートバイ用商品の販売が好調に推移し、増収増益となった。その他事業の売上高については、太陽光発電事業が前年同期並みで、リユース販売事業は前年同期をやや下回った。利益面では、円安による仕入コスト上昇の影響から売上総利益が同1.9%減少し、売上総利益率は39.0%と同1.3ポイント下落した。営業利益以下の段階利益については、小売事業におけるPIT作業体制増強などに伴う人件費の増加などにより販管費が増加し、減益となった。
2. セグメント別業績概要
(1) 国内拠点卸売事業
売上高は4,765百万円(前年同期比4.4%減)、セグメント利益は425百万円(同34.1%減)となった。コロナ禍後の個人消費の多様化により、二輪車用品需要が控えめな状況で推移したほか、二輪車用品やアウトドア用品に関する新商品の投入が遅れたこともあり、第1四半期は売上高が大きく落ち込んだ。二輪車用品については、コロナ禍では初心者向け商品ラインナップが売上増に寄与したが、足元では初心者向け需要は一巡しており、代替する新商品の投入が遅れたことが影響した。第2四半期にはセールなどの効果もあり徐々に盛り返したが、第1四半期のマイナスを補いきれず、減収となった。一方で、二輪車用品の売上が伸び悩む中、アウトドア用品の売上は堅調だった。同社によれば、売上高は2ケタ増を記録しており、アウトドア用品の新商品投入などによりさらなる成長が期待できる。利益面では、減収に加え、円安進行に伴う仕入コストの上昇や、セールによる利益率低下の影響もあって、セグメント利益率は8.9%(同4.1ポイント減)と大きく低下した。
(2) アジア拠点卸売事業
売上高は826百万円(前年同期比69.8%増)、セグメント利益は231百万円(同77.8%増)と、大幅に伸長した。インドネシアでの販売網の整備を推進した結果、商品供給の増大とともにブランド認知が進み、現地の二輪車スクータータイプのオートバイ用商品の販売が好調に推移した。2024年12月期は、ジャワ島内で販売が思わしくない地域において、代理店経由での販売に加えて同社による直接販売のための拠点づくりに注力している。同社によれば、2024年12月期の目標として年間700店舗の出店を目標に掲げており、地元消費者との接点の強化を進めている。また、新商品の投入も積極的に行う。2024年12月期売上高のうち、新商品の占める割合を10%以上とすることを目標としており、順調に進んでいる。同社の目標設定はかなりポジティブに映るが、同社ブランド認知度の向上など現地での好反応の流れに呼応して需要を確実に捕え、目標達成を目指す。現地では若いライダーの間で同社ブランドの支持が高く、同社製品ユーザーの過半数を占めているようで、背景にはSNSにおけるインフルエンサーの影響が考えられる。同社製品は競合他社製品に比較して欠品が少なく、顧客利便性の高い店舗を展開しており、これらメリットや商品の特徴などをインフルエンサーが効果的にSNS上で拡散することがマーケティング施策となって、消費者への強力な訴求につながっていると考えられる。
(3) 小売事業
売上高は1,122百万円(前年同期比3.3%減)、セグメント利益は56百万円(同23.4%減)となった。コロナ禍後のユーザーの消費活動が変化したほか、物価高の影響などもあって、来店客数の減少や、高額カスタムニーズの減少を招いたことなどが減収要因となった。ただし二輪車の整備、修理や点検などに対する需要は根強く、同事業の収益面を支えている。コロナ禍で利用者は増加し、修理や点検などを用品店にて行うケースが増えている。同事業の各店舗でこれらのサービス需要は高まっており、同社はPIT作業体制増強のため、人材強化や車両保管場所の整備を進めている。
(4) その他
売上高は172百万円(前年同期比3.8%減)、セグメント利益は29百万円(同45.1%増)となった。太陽光発電事業では、安定した日照時間を確保し、売上・利益ともに前年同期並みとなった。リユース販売事業では、中古部品販売は前年同期をやや下回ったものの、利益面については仕入及び販売方法の見直しなどによる粗利率の改善が進んだことで、前年同期を上回った。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)《HN》