16日の中国本土市場概況:上海総合0.05%高で小反発、不動産株の上げ目立つ
2024年10月16日 17:17
*17:17JST 16日の中国本土市場概況:上海総合0.05%高で小反発、不動産株の上げ目立つ
16日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比1.66ポイント(0.05%)高の3202.95ポイントと小反発した。
中国当局の景気支援スタンスが相場を支える流れ。住宅都市農村建設部は17日、財政部と中国人民銀行(中央銀行)の当局者と共に会見を開き、低迷する不動産業界を支援する方針を示す見込みだ。また、財政部が先ごろ、追加の財政出動で景気を下支えする方針を示したことについては、10月末に開かれる全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の承認を待って、規模など具体的な内容が明らかにされるとの見方もある。ただ、上値は限定的。9月の中国物価統計や貿易統計が予想を下回る中、デフレや景気鈍化が懸念されている。今週18日(日本時間11時ごろ)に公表される各種経済指標(9月の小売売上高や鉱工業生産のほか、第3四半期のGDP成長率など)の内容も気がかり。指数は安く推移する場面もみられている。(亜州リサーチ編集部)
業種別では、不動産の上げが目立つ。金地集団(600383/SH)や緑地HD(600606/SH)、万業企業(600641/SH)、信達地産(600657/SH)などがストップ(10.0%)高した。
銀行株もしっかり。中国郵政儲蓄銀行(601658/SH)が3.5%、交通銀行(601328/SH)が3.3%、興業銀行(601166/SH)が3.2%、招商銀行(600036/SH)が2.6%、中国工商銀行(601398/SH)が1.6%ずつ上昇した。資源株、インフラ関連株、公益株なども買われている。
半面、ハイテク株はさえない。産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が4.4%、スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)が4.3%、IC設計の上海韋爾半導体(603501/SH)が3.3%、フラッシュメモリー中国大手の北京兆易創新科技(603986/SH)が2.3%、LED基盤・チップ中国最大手の三安光電(600703/SH)が1.9%ずつ下落した。昨夜の欧米市場で半導体株が急落したことなどが重し。オランダの半導体装置メーカーASMLが発表した四半期決算では、受注が予想を大幅に下回ったうえ、2025年の業績予想を下方修正した。そのほか、消費関連株、医薬株も売られている。
外貨建てB株相場は、上海B株指数が3.51ポイント(1.29%)安の268.88ポイント、深センB株指数が0.62ポイント(0.05%)高の1212.78ポイントで終了した。
亜州リサーチ(株)《CS》