アイデミーは先行投資で25年5月期1Q減益だが計画水準、売上は2桁増収と順調

2024年10月15日 09:55

(決算速報)  アイデミー<5577>(東証グロース)は10月10日25年5月期第1四半期連結業績を発表した。24年5月期第3四半期より連結決算に移行したため、前年同期の単体業績との比較で見ると、成長投資の影響で減益だが概ね計画水準だった。売上面は2桁増収と順調だった。そして通期予想を据え置いた。利益面は成長投資の影響で小幅営業・経常増益にとどまるが、売上面はM&Aも寄与して高成長を継続する見込みだ。企業におけるAI/DX人材育成ニーズが一段と高まるなど、中長期的に同社を取り巻く事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は第1四半期業績に対してネガティブ反応の形となったが、目先的な売りが一巡して出直りを期待したい。

■25年5月期1Q減益だが計画水準、通期予想据え置き

 25年5月期第1四半期の連結業績は売上高が5億27百万円、営業利益が27百万円の損失、経常利益が28百万円の損失、親会社株主帰属四半期純利益が36百万円の損失、EBITDA(営業利益+償却費+のれん償却費+株式関連取得費用)が15百万円だった。

 24年5月期第3四半期から連結決算に移行(ファクトリアルを子会社化してBSを第3四半期から、PLを第4四半期から連結開始)したため、前年同期の単体業績との比較で見ると、売上高は55百万円(11.7%)増収、営業利益は87百万円減益、経常利益は85百万円減益、親会社株主帰属四半期純利益は98百万円減益、EBITDAは49百万円減益だった。成長投資合計75百万円(人材採用費用32百万円、24年6月に子会社化したまぼろし社の株式取得費用28百万円、大規模マーケティングイベント費用15百万円)の影響で減益だった。ただし期初時点で第1四半期は成長投資の影響で営業損失の計画であり、概ね計画水準だった。売上面は2桁増収と順調に推移し、成長投資を除くベースの営業利益は48百万円だった。

 サービス別売上高は、法人向けAI/DXプロダクト事業が5.8%増の3億08百万円、AI/DXソリューション事業が24.1%増の1億44百万円、個人向けAI/DXリスキリング事業が17.5%増の74百万円だった。一部に受注の期ズレがあったものの全サービスが増収と順調だった。期末時点の長期継続顧客数(12カ月以上の契約顧客数)は前期末比12社減の132社となった。AI/デジタル教育が一巡して契約終了した企業が一定数発生した。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年5月期比27.4%増の27億円、営業利益が1.9%増の3億円、経常利益が2.3%増の2億97百万円、親会社株主帰属当期純利益が法人税等の増加で24.0%減の1億63百万円、EBITDAが23.8%増の4億06百万円としている。

 利益面は成長投資等の影響で小幅営業・経常増益にとどまるが、売上面はAI/DXソリューション事業の拡大が牽引し、さらにM&A効果(前期第4四半期からPLを連結したファクトリアルの通期寄与、および24年6月に子会社化したまぼろしの新規連結)も寄与して高成長を継続する見込みだ。基本方針として、M&Aも積極活用しながらAI/DXソリューション事業を中心に売上高拡大を優先するとともに、中期成長を支える組織体制の強化および技術投資を継続する。

 なお四半期別の計画として、第1四半期は成長投資の影響で営業損失だが、第2四半期以降の営業利益は増収効果や一時的費用の一巡により回復に向かう見込みとしている。企業におけるAI/DX人材育成ニーズが一段と高まるなど、中長期的に同社を取り巻く事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は目先的な売り一巡

 株価は第1四半期業績に対してネガティブ反応の形となったが、目先的な売りが一巡して出直りを期待したい。10月11日の終値は1079円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円22銭で算出)は約26倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS294円21銭で算出)は約3.7倍、そして時価総額は約43億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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