新興市場見通し:グロース市場の売買代金増加を確認したいところ

2024年10月5日 15:05

*15:05JST 新興市場見通し:グロース市場の売買代金増加を確認したいところ
 

■主力株への関心が高まらず売買代金は低迷

今週の新興市場は下落。同時期の騰落率は、日経平均が-3.00%だったのに対して、グロース市場指数は-3.69%、グロース市場250指数は-4.22%。プライム市場同様、週初は「高市トレード」の巻き戻しで下落。その後は、石破新首相の言動に振らされる展開となり、主力株への買いは手控えられ、直近IPO銘柄に短期資金は向かった。主力株への関心が高まらなかったことなどから、売買代金は連日で1000億円少しと低迷が続いた。

時価総額上位銘柄では、タイミー<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0215A00?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><215A></a>がじり安で上場来安値水準まで売られた。一方、GENDA<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0916600?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><9166></a>が買われ上場来高値を更新したほか、フリー<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0447800?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><4478></a>も強い動きとなった。このほか、9月27日に買われたFFRIセキュリティ<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0369200?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><3692></a>などサイバーセキュリティ関連や、QPS研究所<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0559500?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><5595></a>、ispace<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0934800?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><9348></a>、アストロスケールHD<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0186A00?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><186A></a>などの宇宙関連の下げが目立った一方、地方創生関連銘柄として雨風太陽<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0561600?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><5616></a>が大幅高。また、アスア<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0246A00?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><246A></a>、イタミアート<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0168A00?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><168A></a>、オプロ<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0228A00?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><228A></a>、Liberaware<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0218A00?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><218A></a>など直近IPO銘柄に短期資金が向かい買い優勢となった。なお、1日にスタンダード市場に上場したシマダヤ<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0250A00?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><250A></a>の初値は、公開価格を6.4%下回る1760円で、週末にかけてじりじりと下落するさえない展開となった。

■週初は上放れも上値が重くなる可能性

来週の新興市場は、買い優勢でスタートしそうだ。米雇用統計の結果を受けて大幅利下げ観測が後退したことで、今週末の米国時間の為替市場では1ドル148円台と円安ドル高に振れたことから投資家心理が好転。グロース250先物の夜間取引は日中終値比13ポイント高の645ポイントと上昇した。グロース市場250指数は、75日移動平均線(75MA:641ポイント)と25日移動平均線(25MA:655ポイント)の狭いレンジで推移しているが、週初は上放れを試しそうな状況だ。ただ、円安ドル高を材料とした物色のため、物色のメインはプライム市場の大型株となり、買い一巡後のグロース市場は上値が重くなる可能性はある。売買代金の増加を確認したいところだ。

個別では、引き続き値動きが軽い直近IPO銘柄に関心が向かおう。リリースをきっかけに今週買われたイシン<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0143A00?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><143A></a>、上昇が目立ったアスア、オプロは買いが続くか注目したい。一方、下落が目立ったキャンバス<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0457500?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><4575></a>、アンジェス<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0456300?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><4563></a>、カイオム・バイオサイエンス<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0458300?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><4583></a>、ノイルイミューン・バイオテック<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0489300?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><4893></a>などバイオ関連は、短期資金が直近IPOに向かっていることで引き続き厳しいか。

なお来週は、8日にジュエリー・時計の製造販売を手掛けるケイ・ウノ<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0259A00?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><259A></a>が名証ネクストに上場するほか、11日にデジタルクローン P.A.I.(パーソナル人工知能)の開発等を手掛けるオルツ<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0260A00?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><260A></a>がグロース市場に上場する。オルツは、パーソナル人工知能という高いテーマ性に関心が向かいやすいことから、堅調な初値形成及びセカンダリーとなりそうだ。《FA》

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