【QAあり】メディア総研、高専生を中心に理工系学生の就職活動支援に特化 高専生向けサービスの安定化で経営基盤強化へ
2024年10月3日 09:50
Mission
田中浩二氏(以下、田中):みなさま、こんにちは。メディア総研株式会社代表取締役社長の田中です。
当社の社是は「不可能を可能に」、経営理念は「イノベーションとイノベーション人材で世界をフラットにする。」です。これらは創立以来変わっていません。
会社概要
当社は女性社員の比率が非常に高く、63名のうち34名という内訳です。2023年2月にメディア総研イノベーションズを設立し、今年に入ってアドウィルという会社が当社のグループに加わりましたが、2社とも女性社員の比率は当社とほとんど同じです。
経営陣
経営陣において、一部の取締役が途中で退任しましたが、次に向けてさらに強力なメンバーを1人加える予定です。ご安心いただけたらと思います。
沿革
創業以来、福岡市に拠点を置いていますが、大阪や東京にも拠点を増やしました。現在の本社は九州ですが、今後もクライアントに合わせた全国的な展開を行っていきたいと思っています。
今年5月、静岡県浜松市にあるアドウィルという会社を買収しました。アドウィルは、東海地区に30年以上の歴史を置く、リクルート系のWEB制作会社です。
東海地区は、拠点を持たないと営業的な深堀りがなかなかできないといわれている地域でした。そこに拠点を持てたことと、地域で伝統のある会社を買収できたことで、今後お客さまあるいは当社にとって、発展できる要素が整ったのではないかと思っています。
浜松市にはもともとホンダの本社があり、現在でもスズキやヤマハなど、日本を代表する製造業の本社が多く置かれています。また、愛知県にも近いです。
その地にある強力な会社を買収できたことは、今後の全国的な事業展開についても非常に期待できるのではないかと思っています。
SDGsの取り組みについて
SDGsの取り組みについてです。特別に何かしているわけではないですが、対応している内容をスライドに記載しています。
SDGsの4「質の高い教育をみんなに」においては、すでに高専生や大学生などを対象とした「学生イベント事業」を行っています。
5の「ジェンダー平等を実現しよう」においては、当社の女性社員比率は非常に高いため、対応しています。
9の「産業と技術革新の基盤をつくろう」においては、当社の社業そのものが産学連携を推進しているといえます。
産学連携において、当社は高専あるいは大学の教授と一緒に、理工系の人材を世に広めるほか、学校に良い人材を残すなど、ウィンウィンの関係で行っています。
このようなかたちで産学連携を実現できている会社は、個人的な会社は別として、全国規模では当社のみではないかと自負しています。
当社事業の特徴
当社のビジネスモデルについてご説明します。
当社事業の特徴は、高専生を中心とした理工系学生に特化して就職活動支援を行っていることです。
高専の1学年の在学者数は約1万名といわれています。高専ができたのは今から60年ほど前ですが、学生数が一番多かった20年ほど前は、理工系学生は全国で10万名いました。しかし、理工系学部は維持にお金がかかるため、現在は多くが淘汰されてしまいました。
私立大学の工学部も、予算が減った影響で在学者数を減らし、現在の国立理工系の学生は高専と併せて全体で約3.3万名ほどが在籍していると思います。そのうち約1万名が高専生です。さらに高専の1万名のうち約6,000名が就職をし、約4,000名が進学するというかたちです。
高専をおさえると、国立理工系人材の30パーセントをおさえることができるということです。そのために我々は、今の事業をさらに磨いていきたいと思っています。
当社の事業
当社の事業構成は、ここ何年間かにおいて特に大きくは変わっていません。高専生向けの就職活動イベントの主催が主流です。
今の大学生の就職イベントは、インターンシップが採用の主力になってきた事情もあり、説明会は非常に下火で効果がないという評価が出ています。
しかし、我々が行う高専生向けの就職活動イベントに関してはほとんど影響がありません。時代的には古いかもしれませんが、高専側の協力を得て開催しています。
就職活動イベントにおいて、当社はここ数年間、就職を希望する高専生約6,000名のうち、7割強にあたる約4,500名を集めています。企業や学生にとって、まだ必要であると考え開催しています。
一方で、高専生においてインターンシップやフライング気味の就職活動が始まっています。そちらに関しても、「インターンシップセミナー」や「ミートアップカンパニー」といったイベントで、高専生に対してもメリットが与えられる活動を行っています。
また『月刊高専』に関して、Webメディア連載で今まで500本近くの記事を上げました。高専の先生、高専出身の大学の先生、なんらかの高専と関係のある企業、起業した高専生などの取材を通じ、当社の存在と今後の展開を再構築できていると思います。
当社の理工系採用サービス①
当社の特徴は教職員、特に教員の関与が高いビジネスモデルを作っていることが挙げられます。学生は毎年卒業しますが、教員はいったん助教や准教授になると、10年あるいは20年間同じ学校に勤めることになります。
教員と人間関係が築けた事実は、今後への影響も非常に大きいです。学生やメディアは変わりますが、こちらにおいては安定した業務を行っていけると考えています。
当社の理工系採用サービス②
当社の競合サービスについてです。
当社のような理工系の新卒市場では、競合サービスは非常に少ないと思われます。特に高専生向けにおいては、当社の競合となり得る会社はおそらく事実上存在していないのではないかと考えています。
実際、競合サービスがまったくないことはないです。しかし、高専生が学校で就職の相談をすると「メディア総研の就職活動イベントに参加したらどうか」とお言葉をいただいている状況です。これは以前から変わらないため、我々の強みだと思っています。
また、教員は1回就職するとその学校で10年、20年と継続して勤務することになります。職員は転勤や部署異動などもありますが、国立高専内がほとんどです。
教員が当社のことを知っている事実も、当社の事業においては重要であるため、非常に安定した強さを発揮できていると思います。
高専 (高等専門学校) とは
あらためてご説明すると、高専というのは5年制の高等教育機関のことで、プラス2年の専攻科がある学校です。
高専のほとんどが国立で、現在は全国に51校55キャンパスあります。それに公立、私立が加わり計58校の高専が全国にあります。
私立の「神山まるごと高専」は四国に作られましたが、昨年できたばかりで卒業まであと3年近くかかるため、まだ就職する学生はいません。
高専生の進路
高専生の進路についてです。1学年で約1万1,000名が入学し、進学が厳しいため1,000名ほどが退学します。残り1万名のうち約6,000名が就職し、残りの約4,000名は進学します。
専攻科進学が約1,500名、大学あるいは大学院に約2,500名が編入、進学します。
高専生採用ニーズの高さ
高専生採用ニーズの高さについてです。半導体産業の需要が高まっています。熊本県にTSMCの日本版であるJASMが工場を作り、さらに第2工場の建設も決まりました。北海道にはラピダス、広島県にはマイクロン、三重県にはキオクシアといった企業を中心に、半導体産業が台頭しています。
半導体に強い人材を高専で育てるのは国策になっており、高専のいわゆる半導体関連学科、半導体学習コースのようなものが多く作られてきました。
特に九州においては、約1,000名が半導体について学んでいます。本州は、九州ほど高専に前のめりな採用状況ではありません。高専生の場合は就職倍率が九州、本州ともに30倍以上の倍率があるため、半導体関連企業に就職せずとも他に会社がたくさんあるという事情もあります。
本州はそうでもありませんが、いわゆる半導体ビジネスについては非常に多くの求人ニーズが出てきているかと思います。
高専生を採用している優良顧客
どのような企業が高専生を採用しているかをご説明します。
高専生の就職先の約9割がナショナルブランド企業やその関連の会社で、残り1割が公務員またはIT系の新興企業、ほんの一部が起業という内訳になっています。当社の顧客構成もほとんど同じ構成になっており、大手が9割、その他の中小企業等が1割となっています。
大学及び大学院研究室の高専生獲得ニーズ
就職しない高専生たちの進路は大学2年または3年への編入や、高専専攻科を卒業し大学院へ進学するかたちです。
編入先のトップは、採用を増やしたい大学ランキング1位と言われている国立の豊橋技術科学大学です。長岡技術科学大学も上位です。その他、旧帝大をはじめとし、熊本大学、九州工業大学、東京工業大学などへも多くの高専生が進学しています。
昨今は理工系新卒の就職ニーズが高まり、情報系の学科も含め学部生が大学院に進学するケースが非常に減ってきています。
その中で就職の機会をパスして大学や大学院に進学する高専生は、そのまま研究室に残ってくれる確率が高く、旧帝大をはじめとして高専生の囲い込みが非常に盛んです。
希少性の高い高専を中心とする理工系人材
当社の一番の課題である成長戦略についてです。理工学系の人材のうち高専出身、または高専出身で最終学歴が大学や大学院という学生が、少なくとも1学年あたり1万人ほどいるため、ここを伸ばしていきます。
特に高専生の進学者4,000名ほどは、その後大学に残って教員になるケースが非常に増えています。高専を出身校とする先生が2割ほどおり、大学を含めても力を発揮できる状況になってきたという認識です。
実際のところ、全国の工学部の先生の20パーセントが高専卒と、ひとつの派閥になっています。さらに、高専は大学と異なり独立行政法人が分かれておらず、北海道から沖縄まである国立高専で1法人です。そのため、高専同士の結びつきは非常に強いと感じています。
「当社がターゲットとする高専生及び国立大学を中心とする理工系大学生の数」として、スライドに年間3万3,300人と記載しているように、この数字を追っていく考えです。
当社のシェア
当社のシェアについてです。残念ながら、大学生を対象とした企画は減っていますが、いわゆるリケジョを対象とした「理工系女子学生のためのキャリア交流会」という企画においては、増えています。
当社のイベントでは、高専生は5,000名ほど、理工系大学生、大学院生は1,000名ほど動員できています。この合計6,000名をさらに倍増させ、33,300人に向かってがんばりたいと思っています。
1.基盤強化:高等専門学校と高専生の囲い込み
基盤強化として、高等専門学校と高専生の囲い込みに取り組みます。
当社は福岡にある公益財団の支援をはじめました。高専の特に進学する5年生に対して奨学金を出す非常に珍しい財団です。
この奨学金は高専生だけでなく、大学生は2年生から応募できます。
現在は、代表理事が、高専の現役の校長先生となっています。2024年6月26日のことで、今年の奨学生募集にはまだ影響していませんが、次年度にはおそらく相当数の学生が応募してくる状況になると考えています。
2.インフラ整備:教員ネットワークの拡充
当社主催の編入学・進学セミナーには、北海道大学や神戸大学など全国の有力大学が多数参加しています。
3.既存サービスの拡大:理工系大学イベントの発展
アクションプラン②についてです。当社は「理工系業界研究セミナー」という非常にユニークなセミナーを実施しています。
全国の国立大学や大学院の理工系学生のうち、研究に忙しいなか、就職に興味がある学生を東京に集め、1泊2日または2泊3日で、20社から30社の企業研究をまとめてできる企画です。コロナ禍では対面イベントができず、その間はWebイベントでつないでいました。
今後はこれを再構築しWebと対面の両面で、新たな視点と集め方を駆使し、理工系企画を復活させたいと考えています。
4.新サービスの創出:既存の事業領域に隣接する新たな領域への進出
新領域についてご説明します。2024年3月に高専機構主催の「高専起業家サミット」が行われました。当社が発行主体である『月刊高専』が共催として支えるようなスタンスで関わっています。2025年2月には第2回が行われる予定で、今年と同様に当社が受注を決めています。
「高専起業家サミット」では、高専生らしいスタートアップのビジネスプランの発表があります。石川高専のVRライブや都城高専のピーマン選別システムなど社会実装を日々学んでいる高専生らしいユニークなアイデアが満載でした。最大65チームとしていましたが、総エントリー数で約100チームの参加があり、非常に盛況でした。
このようなイベントは第1回目より第2回目のほうがさらに盛り上がると考えており、「高専起業家サミット」受注をテコにしてスタートアップ支援を提供し、企業や一般投資家とつなぐような新たなビジネスを展開していきたいと思っています。
2024年7月期 決算サマリー(連結)
2024年7月期の決算サマリーです。売上高はようやく10億円を突破し、11億5,500万円となりました。営業利益については、合併時の事務手数料や高専の中途企画の数値に伸びないところがありました。
メディア総研単体としては増収増益ですが、メディア総研イノベーションズという子会社の設立や、アドウィルの合併に伴う費用などにより営業利益予想を下回りました。しかし、業界水準よりは高い数値を維持しています。
自己資本比率や経常利益率は高いものの、以前と比べると株価が大幅に下がっていますが、2025年7月期決算では挽回すべくがんばっており、12月1月に開催する当社主催企画に関しては、現在順調に営業できています。2024年7月期はご心配をおかけしましたが、来期の数字はあまり心配なくがんばっていけると思っています。
損益計算書(前年同期比)
損益計算書です。前年同期比で売上高が上がり、原価も上がっている状況です。純利益は大幅には下がっていません。
株価については、決算が予想どおり進捗しない場合は、非常に敏感に反応することを実感しています。経営会議において、特に次年度以降の計画は株価対策も含めて進めていくと決定しています。
貸借対照表(前年同期比)
貸借対照表は、スライドに記載のとおりです。
現預金はこの何年間か貯まり続けていたため、そちらを吐き出したかたちで、ほとんど同額入金となっています。市場の評価は厳しかったですが、財務健全性は連結含めて底堅い数字を出しているつもりです。
サービス別売上高(前年同期比)
サービス別売上高についてです。同業他社は就職活動イベントや合同説明会の開催数を大幅に減らしていますが、当社は高専独占企業であるため、定価を上げても顧客数は減らず、利益を伸ばすことができました。
就職活動イベント売上高(前年同期比)
就職活動イベントの売上高については、2023年7月期と比べて順調に伸びていますが、先ほどご説明した理由で経常利益および当期純利益は少し下がりました。本業自体の数字は、堅調に推移しています。
企画制作売上高(前年同期比)
企画制作売上高です。2023年度は大学の就活がデジタル化し、紙のサービスを廃止する学校もいくつか出始めたため、就活手帳の受注大学が少しずつ減少しています。新サービスへの転換を準備中で、そちらが好調に推移すると思っていますが、楽観はしていません。
各四半期の売上高・営業利益の推移
各四半期の売上高・営業利益の推移です。第1四半期の数値が特に悪いですが、当社は就職情報の新卒ビジネスがメインのため、第2と第3四半期に多くのイベントが集中します。第2四半期と第3四半期で数字を伸ばし、第4四半期にゴールというかたちになるため、第1四半期と第4四半期は悪くなります。
そのため、当社の業績は第2四半期と第3四半期を見てご判断いただけたらと思います。2022年から2024年のいずれの年も、季節性が高く、ほとんど同じような棒グラフになっています。
ここが弱点であることは十分理解しており、弱点を埋めるために子会社であるメディア総研イノベーションズの設立やその他の企画を行い、平準化できるものに取り組んでいます。イノベーションズは売上高がほとんどゼロだったところから、今期5,000万円の売上高を達成しました。来期に関しては、具体的な数字はまだ発表できませんが、固まりつつあります。
年平均成長率 (CAGR)
年平均成長率です。今年度は計画どおりにいかなかったため、来年度の数字は非常に堅めに作成しました。今年の決算発表後の株価がここまで落ち込むと思わなかったのですが、やはり決算が悪いとこういった数字になることを実感しました。
売上高は増収したものの、営業利益は減少したため、そこまで下がらないと思いましたが、期待が大きかったぶんだけ下がったのだと非常に反省をしています。したがって予算計画自体は非常に堅めに作っています。
当然、こちらを上回る数字を財務的には掲げており、取り組んでいきたいと考えています。具体的な施策も、イノベーションズや本体の売上高も上げていけると確信しています。
計画数値
計画数値です。計画数値の前提条件として、当社は第1四半期と第4四半期対策を平準化するために、「新卒の採用代行」のように月次で割り振って売上を上げるものにも取り組んでおり、年間契約も受注の見込みがあります。
高専という非常に採りづらい人材ですが、中小企業においては事業の存続やその事業承継のために必要な人材という位置づけにもなっており、「新卒の採用代行」は新たなビジネスチャンスとみています。
従来の合同説明会だけではなく、採用そのものを支援するインターンシップ、低学年からの就職の支援、卒業してからの再就職にコミットすることにも取り組んでいます。
新卒よりも転職のほうが市場が大きいため、「転職スイッチ」を立ち上げたものの、いわゆるレッドオーシャンで非常に苦しい状況でした。低学年の市場は、いわゆる就職情報会社はまだ手をつけられないため、その市場で取り組んでいきます。
大学生の就職調査で「今、就活のメインは何ですか?」と聞くと、「インターンシップから」という回答が新聞に出ていました。
高専は、就職説明会でがんばるよりも、さらに早い段階であるインターンシップや低学年のPBRなどの課題解決型学習に絡むことで、就職に結びつける戦略を企業に勧めています。
結果は少しずつ出ており、実例も増えてきました。今後は、当社のメインスポンサーである大手企業だけではなく、地方の中堅、中小優良企業の採用戦略に当社の採用代行を組み込んでいただくことで、売上の拡大や安定を図っていきたいと思っています。そのための対策人員の準備も進めています。
KPI(重視する経営指標:売上高及び営業利益率)
KPIが非常に大事で、当社の場合、東証グロースの時価総額に関しては40億円には到達していません。上場当初と比較して、現在はその半分以下です。
毎年30パーセント以上の経常利益を上げ続け、みなさまのご期待に応える高い成長を、これから次年度や再来年度に向け、実行していきたいと思っています。
計画自体は、スライドの棒グラフのとおり非常に堅く作っています。今年度は株価の洗礼を初めて受けたように感じており、非常に重く受け止めています。
では時間となりましたので、終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:TSMCなどの半導体関連企業向けの就活イベントについて
司会者:「TSMCなどの半導体関連企業向けの就活イベントについて、開催回数や参加学生数、出展企業数などの盛り上がり等を具体的に知りたいです」というご質問です。
田中:TSMCは台湾の世界最大の半導体ファウンダーで、日本ではJASMで熊本工場の第1基が完成し、第2基の工場に向けて取り組んでいます。TSMCだけではなく、広島県のマイクロン、北海道のラピダス、三重県、岩手県のキオクシアなどに産業育成し、国としても43兆円の予算をつけています。
そのような国費が投入される産業のため、半導体人材を増やしていこうと取り組んでいます。
また、防衛産業は、国内でサプライチェーンを確立しなければいけない分野です。ここ10年以上言われてきましたが、多額の国費が投入されることが閣議決定されています。半導体と防衛装備産業を集めた就職セミナーを、JASMがある熊本県で2025年の3月6日に予定しています。
すでに有力な企業にはお声がけしており、多数の学生が集まっていただけるのではないかと思っています。
なぜ熊本県かというと、半導体産業がかなり集まっており適当だと考えたからです。JASMの本社も熊本県で、東京エレクトロンや地元の平田機工、その他大勢の半導体産業が集積しつつあります。
熊本高専の校長への取材で、熊本高専に半導体学科ができたことで、学生の半導体業界の就職率が7パーセントから17パーセントに伸びたとわかりました。
今後も半導体へ人材を送り続けるだろうということで、全国の国策産業である半導体と防衛装備産業に興味がある学生を集めるイベントを、熊本県でやらせていただこうと思っています。
具体的には2025年3月6日に、熊本県のグランメッセ熊本で開催を予定しており、順調に営業も推移しています。
質疑応答:還元の方針について
司会者:「還元の方針について具体的に教えてください」というご質問です。
田中:昨年度、株主から「現預金がけっこうあるのに、還元する考えはないのか?」というご質問がありました。当社は時価総額が足りておらず、今年は成長戦略のためまだ実行できていませんでした。
ようやく準備が整い、売上高も10億円を超えて11億円になり、人員も1.4倍ほどに増やすことができました。株価対策だけではないですが、株主への還元策としてできる限り早い段階で、前向きに株主配当を実行していきたいと考えています。
質疑応答:高専採用の需要と業績向上策について
司会者:「高専採用の需要とそれを踏まえた業績向上策について教えてください」というご質問です。
田中:高専の採用を支援することを通じて、採用代行や採用支援のビジネスをはじめ、いわゆる技術系だけを採用する会社もあります。文系、いわゆる事務系の人間を採用する会社もあります。
技術系の人材をメインで採用するのですが、文系人材も採用していくためホームページを構築するなど何らかのかたちで関与していきたいと思っています。
昨年は数十社の契約を取れており、技術系だけではなく、事務系の採用もお任せいただいています。Webマーケティングを絡めて戦略としてやっていきたいです。
高専人材は就職倍率が30倍から50倍といわれており、なかなか採用できないようです。しかし、低学年からのインターンシップや課題学習型事業は、事実上かなりの割合で独占しているといっていいと思います。
高専と協賛をつなぐビジネスを展開できると思います。卒業生はレッドオーシャンのため、卒業年度だけではなく、在学している時にマッチングをしていくビジネスを展開していこうと考えています。
田中氏からのご挨拶
決算期が終わり、株価が少し下がりました。今年度は流通株式時価総額を達成しましたが、次年度も時価総額の成長を目指していきます。
また、成長戦略として、東証の基準を大幅にクリアするため、売上高や営業利益ともに東証プライム市場も視野に入れ、がんばりたいと思っています。