ユミルリンク Research Memo(1):2024年12月期第2四半期は上期として13期連続の増収増益を継続
2024年9月25日 16:11
*16:11JST ユミルリンク Research Memo(1):2024年12月期第2四半期は上期として13期連続の増収増益を継続
■要約
ユミルリンク<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0437200?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><4372></a>は、「Cuenote(R)(キューノート)」シリーズを通じてメッセージングソリューションを提供している。デジタルマーケティング市場のなかでもメールマーケティング(メールを使って行うマーケティング活動)とSMSマーケティング(ショートメッセージサービス(SMS)を利用して行うマーケティング活動)の領域において、大規模・高速配信などの強みを持つメール配信システム「Cuenote(R) FC」、国内キャリア直収型を強みとするSMS配信サービス「Cuenote(R) SMS」を中心に、顧客のデジタルマーケティング及びDXを支援している。同社のサービスは、プロモーション用途以外にも防災・防犯、料金通知、安否確認など、様々な用途で活用されている。
1. 2024年12月期第2四半期の業績概要
2024年12月期第2四半期の業績は、売上高が前年同期比15.5%増の1,307百万円(うちストック売上が1,258百万円、スポット売上が49百万円)、営業利益が同13.1%増の304百万円、経常利益が同12.9%増の304百万円、中間純利益が同13.0%増の210百万円となり、上期として13期連続の増収増益、過去最高業績更新を継続した。主力の「Cuenote(R) FC」をはじめとする全てのサービスが売上を伸ばした。エンタープライズ顧客を中心とした営業活動の推進に加えて、アライアンスや自社開発によって新機能・新サービスを安定的に市場投入し、サービスの提供価値を継続的に高めたことで、新規契約数の増加に寄与した。利益面は、競争力強化を目的に設備投資や人材投資を積極化しつつも収益性の高い各サービスがトップラインを着実に伸ばしたこと、販管費の伸びを適正にコントロールしたことなどにより2ケタ伸長した。
2. 2024年12月期の業績予想
2024年12月期の業績は、売上高で前期比11.0%増の2,570百万円(うちストック売上が同11.2%増の2,508百万円、スポット売上が同0.5%増の61百万円)、営業利益で同3.0%増の610百万円、経常利益で同3.0%増の610百万円、当期純利益で同2.7%増の420百万円を見込んでおり、過去最高業績の更新を目指す。上期終了時点の進捗率は、売上高が50.9%、営業利益が50.0%、経常利益が49.9%、中間(当期)純利益が50.1%とおおむね計画どおりである。外部環境の見通しも引き続き良好で、期末に向けても「Cuenote(R) FC」「Cuenote(R) SMS」をけん引役に業績拡大を目指す。「Cuenote(R) FC」「Cuenote(R) SMS」は、下期以降もアライアンスを活用した機能の拡張や新サービスの開発に注力する方針だ。利益面は人材や設備投資を積極化する一方で、収益性の高いサブスクリプションサービスの売上を伸ばすことにより、利益を積み上げる計画だ。
3. 今後の成長戦略
同社は、メール・SMS配信以外のメッセージングチャネルの拡充、消費者へシームレスな操作でメッセージを効果的に届けられるようメッセージングプラットフォーム化を推進し、SaaS事業の領域拡大により企業価値と株主価値を持続的に高めることを中期成長戦略の方針としている。具体的には、成長過程にあるメール・SMS市場でシェアを拡大しながら、SNSなど新たなチャネルの開発・拡充により顧客のデジタルマーケティングを支援する新たなサービスを生み出していく。そのためシナジーを生み出す業務提携や外部企業との連携に注力する方針で、2024年6月に法人向けにSNS運用代行などを手掛ける(株)ROCの子会社化を決定した。営業面においてはエンタープライズ顧客の新規獲得を基本戦略とし、オンラインマーケティングの強化によってリード獲得数を増やす。加えて、「Cuenote(R) FC」「Cuenote(R) SMS」を導入した既存顧客に対しては、クロスセルにより顧客当たりの契約金額を引き上げる方針だ。
■Key Points
・メールの大規模・高速配信技術に強みを持ち、増収増益を継続
・2024年12月期第2四半期も上期として過去最高業績を更新
・2024年12月期も成長投資をしつつ、過去最高業績の更新を目指す
・成長戦略のさらなる加速に向けてROCを子会社化
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)《EY》