インテリックス Research Memo(11):FLIE事業の育成による収益の安定性向上を目指す
2024年9月19日 15:11
*15:11JST インテリックス Research Memo(11):FLIE事業の育成による収益の安定性向上を目指す
■インテリックス<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0894000?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><8940></a>の今後の見通し
3. リノベーションマンション市場の中長期見通し
2023年の首都圏におけるマンションの市場動向について見ると、中古マンションの成約件数は前期比1.6%増の35,987件と2年振りに増加に転じた一方で、新築マンションの供給戸数は同9.1%減の26,873件と2期連続で減少した。建築コスト上昇による販売価格の上昇傾向が続いており、東京以外の3県で供給戸数が減少した。また、東京についても23区内は同10.3%増と増加に転じたが、それ以外は同3.9%減となっている。2024年の新築マンション供給戸数は2.8万戸と増加に転じる見通しだが、中古マンションの成約件数も1~6月で前年同期比6.4%増と堅調に推移していることから、引き続き首都圏マンション需要の過半を中古マンションで占めることになりそうだ。
中長期的に見ても中古マンション市場はストックの積み上がりにより安定した市場が形成されていることから、リノベーションマンションの需要は着実な成長が見込まれる。国土交通省の調べによれば、全国のマンションストックは2021年時点で685.9万戸、このうちリノベーションが必要とされる築30年以上の物件は249.1万戸と全体の約36%を占めるが、20年後の2041年には約2.4倍の588.4万戸に拡大すると予想されている。2022年にマンション建替円滑化法が改正され、1棟建て替えに必要となる要件が緩和※されたことで、老朽化マンションの1棟建替えが従来よりも増加する可能性はあるが、中古マンション市場は今後も戸別でリノベーションを行い、販売する形態が主流であり続けると弊社では見ている。
※ 従来は建替え要件として、所有者全員の5分の4以上の賛成が必要だったが、改正法では所在不明者を除く4分の3以上の賛成で可能となった。
また、政府方針として脱炭素社会の実現を掲げるなかで、既存住宅の省エネ化促進に向けた施策(住宅ローン減税や補助金等)を今後も継続していく可能性は高い。省エネリノベーションマンションの普及拡大を業界に先駆けて取り組み、リノベーション内装工事でも豊富な実績を持つ同社にとって今後数年間は、「エコキューブ」を戦略商品として飛躍的な成長を遂げる好機になると弊社では見ている。さらに、ストック型ビジネスモデルに近いFLIE事業が収益化してくれば収益の安定性も一段と向上し、持続的な成長を実現する体制が整うことになるだけに今後の動向が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《HN》