為替週間見通し:ドルは弱含みか、日米金融政策を受けドル売り継続も
2024年9月14日 14:35
*14:35JST 為替週間見通し:ドルは弱含みか、日米金融政策を受けドル売り継続も
【今週の概況】
■日米金利差縮小予想で円買い強まる
今週のドル・円は軟調推移。9月11日発表の米8月消費者物価コア指数は前月比+0.3%と市場予想を上回ったことから、9月の大幅利下げ観測は一時後退した。しかしながら、12日付けの米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が「9月連邦公開市場委員会(FOMC)会合で25bpと50bpの利下げが検討される可能性がある」と報じたことから、大幅利下げの思惑が再浮上し、日米金利差縮小を想定した米ドル売り・円買いが再び広がった。国際通貨基金(IMF)の報道官は12日、「物価上昇リスクが和らいだことから、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月の会合で利下げサイクルを開始するのが適切になる」との考えを伝えたことも意識されたようだ。
13日のニューヨーク外為市場で米ドル・円は一時140円29銭まで下落した。9月17-18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で0.5ptの利下げに踏み切る可能性があるとの観測が高まり、リスク回避的なドル売り・円買いが活発となった。この日発表された8月米輸入物価指数は市場予想を下回ったこともドル売り材料となった。米ドル・円は140円82銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:140円29銭-143円80銭。
【来週の見通し】
■ドルは弱含みか、日米金融政策を受けドル売り継続も
来週のドル・円は弱含みか。米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに踏み切れば、ドル売りが続く可能性がある。また、日本銀行は金融正常化方針を改めて打ち出すとみられ、円買い圧力も強まりそうだ。FRBは9月17-18日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の引き下げに踏み切る公算。利下げ幅は0.25ptが主要シナリオで、0.50pt幅の利下げが行われる可能性もある。米インフレ指標の鈍化は足踏み状態だが、直近の雇用統計で非農業部門雇用者数は市場予想を下回った。他の雇用関連指数からも労働市場の弱さが示され、FOMC声明で追加利下げが言及される可能性もあろう。
一方、日本銀行は19-20日に開催する金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決定することが予想される。ただ、今後に向け金融正常化の方針を改めて強調する見通し。市場では年内の追加利上げが織り込まれつつあり、他国との金利差縮小をにらんで主要通貨に対する円買いを後押しする要因となろう。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(9月17-18日開催予定)
FRBは9月17-18日に連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25pt幅の利下げに踏み切る公算。市場は織り込み済みだが、追加利下げに前向きならドル売りが強まる可能性がある。
【日本銀行金融政策決定会合】(9月19-20日開催予定)
日銀は9月19-20日開催の金融政策決定会合で現行の政策維持を決定する公算。ただ、追加利上げは12月とみられ、今回の政策決定を受けた円売りは限定的となりそうだ。
ドル・円の予想レンジ:138円50銭-142円50銭《FA》