【注目銘柄】インテージホールディングスは2期ぶり最高純益更新・連続増配を手掛かりにバリュー株買いが拡大

2024年9月11日 08:11

【日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部】

■テクニカル指標も上昇トレンドを示唆

 インテージホールディングス<4326>(東証プライム)は、前日10日に11円高の1550円と続伸して引け、8月5日に突っ込んだ年初来安値1333円からの底上げ幅を拡大させた。今2025年6月期純利益が、大幅増益転換して2期ぶりに過去最高更新と予想され、配当も連続増配を予定していることを手掛かりにバリュー株買いが増勢となった。テクニカル的にも足元の底上げとともに5日移動平均線が、25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しており、サポート材料視されている。

■値上げとNTTドコモとのシナジー効果、事業譲渡益もオンして純利益50%増益

 同社の今6月期業績は、売り上げ680億円(前期比7.5%増)、営業利益38億円(同15.5%増)、経常利益38億円(同7.2%増)、純利益37億円(同50.6%増)と増益転換が予想され、純利益は、2023年6月期の過去最高(35億500万円)を更新する。前期業績は、一部顧客の予算引き締めや体制強化に向けた人件費・経費増、NTTドコモの株式公開買い付け(TOB)による資本業務提携関連の費用増などが響きやや伸び悩んだが、今期は、NTTドコモとのシナジー効果の上乗せや値上げ寄与、さらに一部事業の譲渡益などが加わり増益転換する。

 事業別ではマーケティング支援事業では、6億円~7億円に達する値上げ寄与やNTTドコモとのシナジー効果で売り上げが470億円(同16.1%増)、営業利益が16億円(同37.9%増)、マーケティング支援事業では、アルフレッサ ホールディングス<2784>(東証プライム)向けのCRO(医薬品開発業務受託機関)事業の譲渡をカバーして売り上げが128億円(同0.7%増)、営業利益が18億円(同6%増)、ビジネスインテリジェンス事業は、売り上げが74億円(同4.7%減)、営業利益が4億円(同7.2%減)と予想している。NTTドコモとの相乗効果は、2028年8月期に売り上げ150億円以上、営業利益20億円以上と見込み、CRO事業は、18億円程度の特別利益計上として今期業績に上乗せとなる。今期配当は、年間45円(前期実績43円)へ連続増配し、配当方針を変更して中間配当も実施する。

■ミニGCの支援でPER15倍の割り負けを修正しまずTOB価格奪回

 株価は、NTTドコモのTOB発表でストップ高しTOB価格2000円を上回る2298円まで急伸し、前期業績の伸び悩み推移とともに下値を探り、前期第2四半期業績の下ぶれ着地では織り込み済みとして2000円を回復する場面もあったが、日経平均株価が過去最大の下落幅となった波乱相場に巻き込まれて年初来安値1333円に突っ込んだ。同安値からは、今期純利益の2期ぶりの過去最高更新・連続増配予想を手掛かりにリバウンドし、5日線が25日線を上抜くミニGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは15.9倍となお相対的に割り負けており、まずTOB価格2000円奪回に向け再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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