日プロ Research Memo(7):制御システムが大幅増収増益、自動車システムは一過性要因で小幅減益
2024年8月28日 15:07
*15:07JST 日プロ Research Memo(7):制御システムが大幅増収増益、自動車システムは一過性要因で小幅減益
■日本プロセス<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0965100?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><9651></a>の業績動向
2. セグメント別の動向
(1) 制御システム
制御システムは売上高が13.4%増の1,620百万円、セグメント利益(連結調整前営業利益)が24.1%増の375百万円だった。鉄道関連の開発案件増加がけん引し、生産性向上効果も寄与して大幅増収増益だった。セグメント利益率は23.1%で2.0ポイント上昇した。エネルギー関連分野は再生可能エネルギーを含めた電力系統制御システムが堅調に推移した。鉄道関連は新幹線運行管理システムが横ばいだったが、ATOSの更新案件が拡大し、在来線運行管理システムのAI活用案件の受注も寄与した。
(2) 自動車システム
自動車システムは売上高が5.6%増の2,268百万円、セグメント利益が6.1%減の585百万円だった。増収ながら小幅減益だった。セグメント利益率は25.8%で3.2ポイント低下した。売上面は電動化関連が開発規模縮小の影響を受けたものの、AD/ADAS関連が新規案件も寄与して順調に拡大した。利益面は川崎事業所新設に伴う事業所移転費用発生が影響した。ただし一過性要因である。
(3) 特定情報システム
特定情報システム(航空宇宙関連を2024年5月期より産業・ICTソリューションから特定情報システムへ移管、2023年5月期の組替後数値との比較)は売上高が7.8%増の1,341百万円、セグメント利益が18.8%増の267百万円だった。需要が堅調に推移し、生産性向上効果も寄与して大幅増益だった。セグメント利益率は20.0%で1.9ポイント上昇した。航空宇宙関連は一部案件がテストフェーズに入ったため減少したが、衛星画像関連の受注が増加したほか、危機管理関連は次期案件に向けて体制を拡大した。
(4) 組込システム
組込システムは売上高が2.2%増の1,363百万円、セグメント利益が0.5%増の302百万円だった。小幅ながら増収増益だった。セグメント利益率は22.2%で0.4ポイント低下した。ストレージデバイス関連が半導体市場低迷の影響を受けて体制縮小したが、IoT建設機械関連の開発量増加が寄与した。
(5) 産業・ITCソリューション
産業・ICTソリューション(航空宇宙関連を2024年5月期より特定情報システムへ移管、2023年5月期の組替後数値との比較)は売上高が3.9%増の2,874百万円、セグメント利益が8.7%増の533百万円だった。増収増益と順調だった。セグメント利益率は18.6%で0.9ポイント上昇した。民間分野のシステム構築が堅調に推移したほか、官公庁向け社会インフラ関連、道路設備関連としてのETC試験装置開発案件、官公庁分野のeガバメントクラウド関連、駅務機器関連などが拡大した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)《HN》