15日の香港市場概況:ハンセン0.02%安で小幅続落、決算前のアリババ2.4%下落

2024年8月15日 18:00

*18:00JST 15日の香港市場概況:ハンセン0.02%安で小幅続落、決算前のアリババ2.4%下落
15日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比4.22ポイント(0.02%)安の17109.14ポイントと小幅に続落する一方、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は10.11ポイント(0.17%)高の6035.27ポイントと小反発した。売買代金は879億3470万香港ドルにやや拡大したが、依然として低水準が続いている(14日は680億4480万香港ドル)。


企業業績の動向が気がかり材料として意識される流れ。香港では今週に入り、上場企業の決算報告が本格化している。内容を見極めたいとするスタンスが買い手控えにつながった。本土株高を支えに買われる場面がみられたものの、上値は重く、ハンセン指数などは指数は引けにかけて再びマイナスに転じている。取引時間中に公表された7月の中国経済指標は強弱感の分かれる内容。不動産関連の統計が弱かったものの、注目度の高かった小売売上高は市場予想を上回った。市場の一部からは、内需が持ち直したとの声も聞かれている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、自動車ディーラー大手の中升集団HD(881/HK)が4.5%安、医療サービス企業の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス:241/HK)と中国スポーツ用品大手の李寧(2331/HK)がそろって3.7%安と下げが目立った。


セクター別では、香港拠点の消費(外食や小売)関連が安い。敘福楼集団(1978/HK)が20.0%、大家楽集団(341/HK)が1.7%、周大福珠宝集団(1929/HK)が1.5%、莎莎国際HD(178/HK)が1.4%ずつ下落した。「牛角」など運営の敘福楼集団が昨日、1〜6月期業績が赤字に転落したもようと発表したことを嫌気している。


主力ネット株もさえない。阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が2.4%安、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)と京東集団(JDドットコム:9618/HK)がそろって1.4%安で引けた。インターネットサービス中国大手のテンセントについては、好決算を発表したものの、材料が出尽くしたとの見方。同社の4〜6月期決算では、調整後利益が前年同期比で53%増加し、市場予想も上回った。また、アリババは本日引け後、第1四半期決算を公表する予定。競争激化を背景としたEコマース事業の減速が懸念されている。


半面、中国の銀行セクターはしっかり。招商銀行(3968/HK)が2.2%高、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が2.2%高、中国工商銀行(1398/HK)が2.0%高、中信銀行(998/HK)が1.3%高で取引を終えた。


キャリアや設備工事の通信ネットワーク関連も物色される。中国電信(728/HK)が2.5%、中国移動(941/HK)が1.4%、中国聯通(762/HK)が1.3%、京信通信系統HD(2342/HK)が3.5%、中国通信服務(552/HK)が1.8%ずつ上昇した。


本土市場も反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.94%高の2877.36ポイントで取引を終了した。金融株が高い。消費関連株、不動産株、エネルギー株、公益株、インフラ関連株、医薬株、ハイテク株なども買われた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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