ハークスレイ Research Memo(8):2024年3月期は大幅な増収増益。2025年3月期も増収増益を見込む

2024年8月15日 13:08

*13:08JST ハークスレイ Research Memo(8):2024年3月期は大幅な増収増益。2025年3月期も増収増益を見込む
■ハークスレイ<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0756100?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><7561></a>の業績動向

1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期は、売上高が前期比31.3%増の46,761百万円、営業利益が同66.8%増の2,436百万円、経常利益が同63.9%増の2,588百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同52.8%増の1,601百万円と、大幅な増収増益となった。

売上高は3事業ともに増収となった。最も売上を伸ばしたのは物流・食品加工事業で、売上高は前期比77.8%増の16,499百万円である。稲葉ピーナツの連結子会社化によりピーナッツやドライフルーツなどの豆菓子製造や卸販売事業が伸びたのに加え、スーパー・コンビニエンスストアからのOEM製造受託をはじめとしたカミッサリー事業が成長した。店舗アセット&ソリューション事業は、店舗リース取引店舗及び不動産管理テナント数拡大によるストック収益の伸長に加え、大型不動産物件の引き渡しや各種パーティやイベント復活も寄与し、売上高は同33.1%増の15,764百万円となった。持ち帰り弁当事業※は、エネルギー価格や原材料価格が高騰するなかで価格転嫁も順調に推移した。加えて、スポーツや音楽イベントなどの外販やケータリング需要も回復し、売上高は同0.5%増の16,887百万円となった。

※「持ち帰り弁当事業」は2025年3月期に「中食事業」へセグメント名称を変更。


利益面では、売上総利益は増収により前期比21.8%増の15,251百万円となり、同15.8%増の12,814百万円となった販管費をカバーし、営業利益は大幅増益となった。セグメント別では、業績をけん引する店舗アセット&ソリューション事業が同15.6%増の1,956百万円となった。収益性の高いリース・管理店舗を拡大したのに加え、不動産売却益が利益貢献した。物流・食品加工事業はセグメント利益で同216.8%増の673百万円と著しい利益成長を見せた。稲葉ピーナツの連結寄与に加えて、唐揚げをはじめとした鶏肉ブームを追い風にしたカミッサリーがフル稼働したことが主な要因である。持ち帰り弁当事業は同0.5%増の259百万円となった。

2024年3月期の売上高構成比は持ち帰り弁当事業は34.4%、店舗アセット&ソリューション事業は32.1%、物流・食品加工事業は33.6%と、それぞれ同水準の30%前半となり、各事業の収益力も向上し、事業構造改革が進捗していることがわかる。

2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期は、売上高が前期比4.8%増の49,000百万円、営業利益が同0.6%増の2,450百万円、経常利益が同10.1%増の2,850百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が、同12.4%増の1,800百万円と、3期連続の増収及び4期連続の増益を見込んでいる。

物流・食品加工事業は引き続き好調に推移し、2024年3月期に続き3セグメント中最大の売上高になると予想される。既存取引の拡大と新規取引先の獲得による稼働率の向上により、増収増益が見込まれる。弊社では前期比104.2%増の17,200百万円前後※と試算する。店舗アセット&ソリューション事業は、2024年3月期の大型不動産の引き渡しの反動はあるものの、店舗リース・管理のストックを積み上げることにより成長を目指す。弊社試算では同104.7%の16,500百万円前後※と、順調な拡大になると予想している。中食事業(旧 持ち帰り弁当事業)では、アフターコロナに移行し平時の経済活動に戻ってきた個人顧客のほか、2025年の大阪・関西万博開催をはじめとする各種イベントの大型受注、仕出料理での貸し会議室や会館などにおける受注の獲得を目指す。「ほっかほっか亭」店舗数の減少と節約志向はネガティブな要素であるが、ケータリングサービスは各種イベントの復活による伸長も期待されており、これらも考慮し試算すると前期比101.9%の17,200百万円前後※の安定成長になると予想している。

※セグメント別の予想値は未開示であるため、弊社による試算を記している。セグメント調整額(消去及び全社)が2024年3月期と同水準かつ売上構成比が同程度であることを前提としている。


営業利益に関しては、2024年3月期並みの予想である。大型不動産売却の一時的な特需は剥落するものの、コロナ禍を契機に進めてきた事業構造改革により2025年3月期においても相対的に収益性の高い事業へのシフトが進み、利益拡大が予想される。セグメント別では、ストック収益が積み上がる店舗アセット&ソリューション事業と工場の高稼働が続く物流・食品加工事業の利益貢献が大きくなると見込んでいる。弊社は、同社の業績予想はオーガニックな成長力を前提にやや保守的な数字であり、最低限のコミットメントであると考えている。中期経営目標の重点施策の1つであるM&A投資は、120億円を予算として冷凍食品製造企業などの食品製造業を中心に菓子製造業、農畜産物の生産・加工業を狙っている。2025年3月期中にM&Aが実行され、業績が拡大する可能性もあるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)《SO》

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