ハークスレイ Research Memo(7):戦略的投資により事業基盤拡大を目指す(2)

2024年8月15日 13:07

*13:07JST ハークスレイ Research Memo(7):戦略的投資により事業基盤拡大を目指す(2)
■ハークスレイ<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0756100?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><7561></a>のセグメント別事業戦略

2. 店舗アセット&ソリューション事業
(1) 直近の動向
店舗アセット&ソリューション事業の直近の動向については、2022年3月期期初から「収益認識に関する会計基準」を適用し、2023年3月期よりセグメント変更(2022年3月期までは「店舗委託事業」と「店舗管理事業」)したことから、2022年3月期から2024年3月期の直近3期の動向を記す。売上高は2022年3月期14,606百万円、2023年3月期11,842百万円、2024年3月期15,764百万円、セグメント利益は2022年3月期1,868百万円、2023年3月期1,691百万円、2024年3月期1,956百万円で推移している。2023年3月期が減収減益となったのは、販売用不動産の売却数(2022年3月期は3件、2023年3月期は2件)の変動による一時的な要因によるものが大きい。不動産販売は市況などによりある程度の変動はあるものの、おおむね増収増益トレンドとなっている。さらに飲食業界の人出不足を背景とした人材紹介ビジネス、POSレジ製造販売など多角的な取り組みが着実に成果となって表れており、コロナ収束後のラグジュアリーブランドによる大型パーティーなども回復傾向であることが増収増益トレンドにつながっている。

店舗アセット&ソリューション事業のKPIとして、店舗不動産の管理テナント数、店舖リースの取引店舖数が月次で公開されている。どちらの指標もストック型で蓄積する。それぞれ2023年3月からの1年間で、店舗不動産の管理テナント数は25店増、店舖リースの取引店舖数は19店増と着実に増やした。弊社は2025年3月期には稼働店舗数(店舗不動産の管理テナント数+店舖リースの取引店舖数)は1,000店を超えると考えている。

(2) 中期戦略
店舗アセット&ソリューション事業の売上高構成比は、2028年3月期に約32%となる。2024年3月期の約32%と同じ構成比水準を保つが金額ベースでは2024年3月期比で約146%と堅調な成長を計画している。重点施策は以下のとおりである。

・「店舗リース取引店舗」「不動産管理テナント」の稼働店舗数増加によるストック収入拡大
・店舗不動産ビジネスにおける所有不動産のバリューアップ販売
・店舗運営のコンサルタントとしての多面的ソリューションの提案
・サービス業における人材不足問題に対応した特定技能外国人就労支援等人材紹介ビジネス

店舗アセット&ソリューション事業は、資産効率を上げるROIC向上の施策を推進し、中期経営目標の重要なテーマであるROEの向上を促す位置付けである。

3. 物流・食品加工事業
(1) 直近の動向
物流・食品加工事業の直近5期の動向は、売上高及びセグメント利益は2023年3月期、2024年3月期に加速度的に成長した。2022年3月期の売上高は4,862百万円、セグメント利益は52百万円であったが、2023年3月期の売上高は9,277百万円、セグメント利益は212百万円、2024年3月期の売上高は16,499百万円、セグメント利益は673百万円となった。これはカミッサリー事業でスーパー・コンビニエンスストアからのOEM製造受託の好調により工場が高稼働したこと、稲葉ピーナツの連結及び定番商品が順調に導入店舗数・受注数を伸ばしたことが挙げられる。なお、稲葉ピーナツの同事業における2024年3月期の売上高構成比は約60%である。

(2) 中期戦略
物流・食品加工事業の売上高構成比は、2024年3月期の約34%から2028年3月期には約42%となる。重点施策は以下のとおりである。

・販売好調な定番商品の一層の拡大(販売先、受注数)
・好調なOEM製造受託、カミッサリー事業の売上拡大
・継続的なヒット商品の開発
・製造設備等の更新による生産性向上

物流・食品加工事業は、設備投資や営業強化、オペレーション強化などによるオーガニックな成長とともに、M&Aによる業績拡大が期待できる分野であり、中期経営目標実施期間中に3事業で最大の高成長を計画している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)《SO》

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