ハークスレイ Research Memo(3):中食事業、店舗アセット&ソリューション事業、物流・食品加工事業を展開
2024年8月15日 13:03
*13:03JST ハークスレイ Research Memo(3):中食事業、店舗アセット&ソリューション事業、物流・食品加工事業を展開
■事業概要
1. 中食事業
持ち帰り弁当事業は、「つくりたてを、“さらに”速く。」を謳う「ほっかほっか亭」による持ち帰り弁当や総菜の販売のほか、各種パーティー・イベント・セレモニー等の需要に応えるケータリング事業を展開している。精米工場及び品質管理の研究機関を設置するなど安定供給と消費者に向け安全安心な食を提供する取り組みを続けている。「ほっかほっか亭」は全国839店を展開しており、約8割をFC店が占めている(2024年3月末現在)。ハークスレイ<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0756100?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><7561></a>は、約2割の直営店の運営及び本部機能を担う。同社の売上は主に店舗への食材等の卸売りとロイヤリティとなる。独自のFCシステムを構築しており、研修センターにて基本作業からピーク時運営、店舗管理研修などの店長研修を行っている。「ほっかほっか亭」の店舗は、長年培ったノウハウから最適な店舗レイアウトを実現し20から25坪で営業している。そのため工事費用といった出店費用の抑制につながっている。また、直営店をオーナーにレンタル型で提供し、チェーン加盟したうえで営業を開始できる店舗レンタル型の加盟制度もあり、オーナーの低資金開業を可能にしている。同社ではコインランドリーチェーン「Wash&Shine!」も運営しており、ロードサイドに「ほっかほっか亭」と併設するケースが増えている。このほか、「ほっかほっか亭」では「1オーナー5店舗運営」によるドミナント形成を推進しており、直営店が軌道に乗ると同社は同オーナーや近隣のオーナーに店舗資産を転売することができる。オーナーにとっては店舗運営などのノウハウを学べるほか低資産で増店できるため、低リスクで事業を拡大できる仕組みになっている。近年は外販チームを設置して大口受注の獲得を強化しており、売上高構成比では約2割程度に成長している。
2. 店舗アセット&ソリューション事業
店舗アセット&ソリューション事業では、店舗流通ネットをはじめとするTRNグループ5社において、店舗リースや店舗工事・人材紹介などの店舗運営事業者向けソリューションなどを提供する店舗ビジネス、商業用不動産の取得・開発、リーシング、管理提供する店舗不動産ビジネス商業ビルを投資対象とした不動産ファンドビジネス、洋菓子店やベーカリーの店舗運営・経営を改善するPOSレジシステム開発・販売をはじめとするIT経営ソリューション事業、パーティーやイベント用品のレンタル事業と、様々な事業を行っている。主力となるのは店舗流通ネットによる店舗リース・管理で、不動産オーナーから賃貸した飲食店向けなどの店舗を借り手となる事業者に転貸するサービスである。TRNグループによる出店支援総数は2000年の事業開始以来4,000件を超えており、駅前好立地の物件を多く確保している。店舗リースは造作購入代金や保証金、改装費用を同社が負担するスキームで、事業者の初期費用やリスクを軽減する仕組みを揃えている。店舗不動産の管理テナント及び店舗リースの取引店舗数は、2024年6月時点で983店舗である。取引店舗数はストック収入の源泉となっており、毎月伸長している。また、管理を受託した物件や自社所有物件をリーシングする機能を持つ。所有物件はリース期間満了後に売却することも狙いの1つであり、2024年3月期は大型物件を含めて3物件の売却に成功し、業績に貢献した。こうして、店舗事業者などの顧客へ総合的な支援を可能としているのが強みである。
3. 物流・食品加工事業
物流・食品加工事業では、アサヒL&Cで「ほっかほっか亭」店舗へ導入する食品の加工や大手小売業からのOEM製造受託をはじめとしたカミッサリー事業、商材や食材などの配送を担う物流事業のほか、稲葉ピーナツでピーナッツやドライフルーツなどの豆菓子製造事業や卸販売事業を行っている。カミッサリー事業では、唐揚げなど鶏肉製品は、スーパーやコンビニエンスストアなどの約20社よりOEM製造を受託しているほか、スポットで40社以上の取引先向けの製造を受託しておりフル稼働の状況が続いている。営業力・企画力の強化も行っており、地域性や季節感を生かした提案が増収に貢献している。工場は阪神カミッサリー、貝塚精米センターがある。2017年に食品安全マネジメントシステムの国際認証規格であるFSSC22000を取得したことで、大手をはじめとする顧客からの信頼獲得にも成功した。物流事業は全国の「ほっかほっか亭」への配送を目的に整備された全国を11ヶ所(南は鹿児島センター、北は北海道センター)の物流センターを核に地域配送を行っている。
2022年11月にグループ入りした稲葉ピーナツは、1918年創業の100年以上の歴史を持つお菓子メーカーである。業界初の窒素ガス充填包装や高精度な自動選別機を導入し、原料にこだわり“おいしさ”を追求してきた。商品は「クレイジーソルト塩バタピー」「クレイジーソルト塩ナッツ」「7種類ミックスナッツ」「7種類ナッツ&フルーツ」などがあり、大手スーパーやドラッグストア、コンビニエンスストアなどに販路を持ち、プライベートブランド(以下、PB)商品の製造も受託し、こだわりの原料で「確かなおいしさ」を追求している。2023年4月に稲葉ピーナツの完全子会社である谷貝食品を連結子会社化した。谷貝食品が開発した地元茨城県産「紅はるか」を使用した「ほしいも」は人気商品で安定した売上を維持している。同商品は、茨城県筑西市のふるさと納税返礼品となっている。また新たな販路開拓を目的に、アウトドアなどに携帯し手軽に栄養補給できる「トレイルミックスシリーズ」を開発し、大手アウトドア用品店で2024年6月に販売を開始した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)《SO》