9日の中国本土市場概況:上海総合0.3%安で4日ぶり反落、不動産株の物色は続く
2024年8月9日 16:55
*16:55JST 9日の中国本土市場概況:上海総合0.3%安で4日ぶり反落、不動産株の物色は続く
9日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比7.71ポイント(0.27%)安の2862.19ポイントと4日ぶりに反落した。
様子見ムードが漂う流れ。来週公表される7月の経済統計(小売売上高や鉱工業生産など)や、企業業績の動向を見極めたいとするスタンスが強まった。中国経済対策の期待感が続き、指数はプラス圏で推移していたが、買い一巡後、指数は引けにかけてマイナス圏に沈んでいる。一方、寄り付き直後に公表された7月の中国物価統計は、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比0.5%(市場予想0.3%、前月0.2%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス0.8%(同マイナス0.9%、同マイナス0.8%)という結果だった。CPIが予想を上回る伸びを示したため、市場の一部からは内需が持ち直しつつあると指摘されたものの、これを好感する買いは限定されている。(亜州リサーチ編集部)
業種別では、通信ネットワーク関連の下げが目立つ。中国衛通(601698/SH)が2.2%安、中国移動(600941/SH)と中国電信(601728/SH)がそろって1.9%安、中国聯通(600050/SH)が1.5%安で引けた。中国移動が公表した中間決算は5%増益で、配当の増額も予定されたが、主力の個人向け事業が苦戦したことを嫌気している。
医薬株もさえない。天士力医薬集団(600535/SH)が2.9%、薬明康徳(603259/SH)が2.4%、人福医薬集団(600079/SH)が1.8%、上海医薬集団(601607/SH)が1.7%、広州白雲山医薬集団(600332/SH)が1.5%ずつ下落した。消費関連株、公益株、運輸株、半導体株の一角なども売られている。
半面、不動産株の物色は続く。金地集団(600383/SH)が8.7%高、新城控股集団(601155/SH)が4.7%高、華遠地産(600743/SH)が2.5%高、信達地産(600657/SH)が2.4%高で取引を終えた。政策支援の動きが引き続き材料視されている。深セン市政府は7日、売れ行き不振の商品住宅を買い取り、低・中所得層向けの「保障性住宅」に転用すると発表。市場で期待されている「住宅在庫の買い上げ」は、これから本格化すると予想されている。そのほか、銀行株、エネルギー株、非鉄・産金株も買われた。
外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.26ポイント(0.11%)高の232.87ポイント、深センB株指数が6.47ポイント(0.59%)高の1107.87ポイントで終了した。
亜州リサーチ(株)《CS》