朝日ラバーは25年3月期1Q営業黒字、自動車向けゴム製品受注回復などが奏功

2024年8月9日 09:21

(決算速報)  朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は8月8日の取引時間終了後に25年3月期第1四半期連結業績を発表した。自動車向けゴム製品の受注回復や医療・衛生用ゴム事業の好調などで2桁増収となり、開発費の増加などを吸収して営業黒字転換した。そして通期予想を据え置いた。自動車向けゴム製品の受注回復や通信分野の新製品量産化などにより大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益回復基調だろう。株価は地合い悪化の影響で年初来安値を更新したが、売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■25年3月期1Q営業黒字、通期大幅増益予想据え置き

 25年3月期第1四半期連結業績は売上高が前年同期比10.4%増の18億38百万円、営業利益が12百万円(前年同期は2百万円の損失)、経常利益が29.2%増の14百万円、親会社株主帰属四半期純利益が31.7%減の4百万円だった。自動車向けゴム製品の受注回復などで2桁増収となり、開発費の増加などを吸収して営業黒字転換した。

 工業用ゴム事業は売上高が8.8%増の14億03百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が5.7%増の34百万円だった。自動車向けASA COLOR LED、自動車スイッチ用ゴム製品の受注が回復傾向となり、卓球ラケット用ラバーも好調だった。RFIDタグ用ゴム製品は事業環境の影響で低調だった。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が16.0%増の4億35百万円、セグメント利益が28.3%増の43百万円だった。プレフィルドシリンジガスケット製品が顧客の生産調整の影響で低迷したが、採血用・薬液混注用ゴム栓や医療シミュレータなどが好調に推移して大幅増収増益だった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が24年3月期比8.2%増の77億72百万円、営業利益が79.6%増の2億81百万円、経常利益が34.8%増の2億63百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が36.7%増の1億83百万円としている。配当予想も据え置いて24年3月期と同額の20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。予想配当性向は49.8%となる。

 工業用ゴム事業における自動車関連製品の需要回復、卓球ラケット用ラバーの堅調推移、通信分野の新製品の量産化、医療・衛生用ゴム事業における採血用・薬液混注用ゴム栓や医療シミュレータの受注増加などにより大幅増益予想としている。セグメント別売上高の計画は工業用ゴム事業が10.3%増の62億27百万円、医療・衛生用ゴム事業が0.6%増の15億44百万円としている。積極的な事業展開で収益回復基調だろう。

■株価は売り一巡して反発の動き

 株価は地合い悪化の影響で年初来安値を更新したが、売り一巡して反発の動きを強めている。1倍割れの低PBRも評価材料であり、出直りを期待したい。8月8日の終値は538円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS40円13銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1105円64銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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