29日の香港市場概況:ハンセン1.3%高で続伸、アリババ4.7%上昇
2024年7月29日 18:00
*18:00JST 29日の香港市場概況:ハンセン1.3%高で続伸、アリババ4.7%上昇
週明け29日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比217.03ポイント(1.28%)高の17238.34ポイントと続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が69.92ポイント(1.16%)高の6080.56ポイントと5日ぶりに反発した。売買代金は847億2820万香港ドルに縮小している(26日は1046億7020万香港ドル)。
内外環境の改善で投資家心理が上向く流れ。米国では米連邦準備理事会(FRB)がインフレ動向目安とする6月の米個人消費支出(PCE)のコア価格指数が予想通りの結果となったことで、FRBは9月に利下げ開始するとの観測が改めて強まっている。米債券市場では、米10年債利回りの低下が続いた。中国では過度な景気懸念が後退。27日に公表された6月の工業企業利益は前年同月比で3.6%増加し、伸びは5月の0.7%から大幅に加速している。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が4.7%高、自動車ディーラー大手の中升集団HD(881/HK)が4.0%高、電動工具メーカー大手の創科実業(669/HK)が3.7%高と上げが目立った。アリババは株価の先高観が強まっている。外資ブローカーは最新リポートで、アリババは中国本土・香港間ストックコネクトに組み入れられると分析。ノースバウンド(中国本土→香港)資金の流入が期待された。中升については、自動車買い替え支援策の強化が引き続き材料視されている。
セクター別では、中国の銀行が高い。中国農業銀行(1288/HK)と交通銀行(3328/HK)がそろって2.3%、中信銀行(998/HK)が2.2%、中国銀行(3988/HK)が1.8%、中国工商銀行(1398/HK)が1.6%ずつ上昇した。
ネット関連の銘柄も物色される。上記したアリババのほか、ビリビリ(9626/HK)が1.6%高、京東集団(JDドットコム:9618/HK)と百度(バイドゥ:9888/HK)、快手科技(1024/HK)がそろって1.4%高で引けた。
半面、中国不動産セクターは安い。合景泰富集団HD(1813/HK)が5.3%、世茂集団HD(813/HK)が4.1%、中国奥園集団(3883/HK)が3.6%、建発国際投資集団(1908/HK)が3.2%ずつ下落した。
一方、本土市場は小幅続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.03%高の2891.85ポイントで取引を終了した。銀行・保険株が高い。軍事関連株、海運株、公益株、エネルギー株、メディア関連株なども買われた。半面、不動産株は安い。消費関連株、医薬株、素材株、太陽光発電株、半導体株も売られた。
亜州リサーチ(株)《CS》