グリムス Research Memo(1):事業用太陽光発電システム販売のトップランナー
2024年7月29日 13:21
*13:21JST グリムス Research Memo(1):事業用太陽光発電システム販売のトップランナー
■要約
グリムス<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0315000?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><3150></a>は、東京証券取引所(以下、東証)プライム市場に上場し、一般家庭から工場、オフィス等の幅広い顧客を対象に、高圧から低圧まですべての電力種別の領域で、エネルギーに関する幅広い商品・サービスを提供している。設立以来、エネルギーに関する豊富な提案能力を有する営業社員により、顧客のニーズに合った的確なコンサルティングを続けてきたことによる、「豊富な顧客基盤に基づく営業展開力」「他社との差別化による収益力の強さ」「市場環境と成長機会」が同社グループの強みである。エネルギーコストソリューション事業は高成長・高収益モデルを実現し、小売電気事業は安定ストック収益源として規模の拡大を図ることで、高い利益成長を継続し、企業価値の向上を追求している。
1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の連結業績は、売上高29,908百万円(前期比4.7%減)、営業利益5,217百万円(同44.9%増)、経常利益5,268百万円(同42.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,540百万円(同43.6%増)と大幅な増益決算であった。期初予想に対しては、売上高は電力市場価格の低下により7.0%下回ったものの、営業利益は20.8%上回り過去最高を更新する好決算だ。セグメント別では、エネルギーコストソリューション事業は、電力の自家消費を提案する事業用太陽光発電システムの販売が拡大し、好決算をけん引した。また、小売電気事業も、リスクヘッジの徹底及び電力市場価格の低下により計画を大きく上回る増益となり好業績に寄与した。自己資本比率は59.7%(前期比1.9ポイント改善)と高水準を維持し、東証プライム市場平均を大きく上回る良好な財務基盤を維持している。同様にROA及びROEもプライム市場平均を大きく上回り、収益性も極めて高い。従来の配当性向の目安であった20%を2024年3月期より30%に引き上げ、公表したうえで、1株当たり年間配当金を期初計画の22円から47円(前期比25円増)に増額し、株主への利益還元にも十分に配慮している。
2. 2025年3月期業績見通し
2025年3月期の連結業績は、売上高34,000百万円(前期比13.7%増)、営業利益6,500百万円(同24.6%増)、経常利益6,570百万円(同24.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,320百万円(同22.0%増)と増収増益を予想し、営業利益は過去最高の更新を目指す。エネルギーコストソリューション事業では、事業用太陽光発電システムの販売を推進し、低圧電力を使用する中小企業をメインターゲットとすることで他社との差別化を図る。スマートハウスプロジェクト事業では、蓄電池の販売を推進して安定的な業績推移を図る方針としている。また、小売電気事業については、リスクヘッジを徹底することで安定収益を見込めるビジネスモデルが確立できたことにより、今後は契約口数の増加による安定成長を図る。ただ、期初の業績予想は保守的な傾向が強く、弊社では通期業績は最終的には期初予想を上回る可能性が高いと考えている。また、1株当たり年間配当金は57円(同10円増)を計画し、引き続き株主還元にも十分に配慮していると評価できる。加えて、同社グループでは、サステナビリティ(地球環境に配慮して、経済活動を維持し続けること)にも積極的に取り組んでおり、ESG(環境、社会、ガバナンス)投資銘柄としても注目されよう。
■Key Points
・エネルギーに関する幅広い商品・サービスを提供し、エネルギーコストソリューション事業、スマートハウスプロジェクト事業、小売電気事業を展開
・2024年3月期は、期初予想を大幅に上回る増益決算。エネルギーコストソリューション事業と小売電気事業が増益の主因。財務の健全性が高く、収益性も高い。大幅増配を実施し、株主還元にも十分配慮
・2025年3月期も、増益を予想するが、期初の業績予想は保守的。合計57円への増配を予定し、引き続き株主還元に配慮。サステナビリティにも注力
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)《SO》