23日の香港市場概況:ハンセン0.9%安で反落、本土銀行セクターは逆行高

2024年7月23日 18:00

*18:00JST 23日の香港市場概況:ハンセン0.9%安で反落、本土銀行セクターは逆行高
23日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比166.52ポイント(0.94%)安の17469.36ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も59.25ポイント(0.95%)安の6194.69ポイントと反落した。売買代金は858億2600万香港ドルに縮小している(22日は934億2250万香港ドル)。


本土株安が投資家心理を冷やす流れ。米中関係の悪化や中国の景気鈍化、人民元安進行の警戒感など懸念材料が山積する中、上海総合指数は引けにかけて一段安となり、約5カ月ぶりの安値で取引を終えた。資源安も関連銘柄などにとっての逆風となっている。昨夜のロンドン金属取引所(LME)では、中国の景気鈍化による需要減退を警戒し、アルミなど主要産品の先物価格が軒並み安。ニューヨーク商品取引所(COMEX)では、金の先物価格が4日続落した。ハンセン指数などは一時プラス圏で推移したものの、買いの勢いは続かず、本土株安に連れ、下げ幅を徐々に広げている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、電子機器製造受託サービス(EMS)中国大手の比亜迪電子(BYDエレクトロニック:285/HK)が4.7%安、江蘇省拠点の翰森製薬集団(3692/HK)が4.3%安、中国ミネラルウォーター最大手の農夫山泉(9633/HK)が3.8%安と下げが目立った。


セクター別では、非鉄・産金が安い。中国アルミ(2600/HK)が6.8%、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が6.3%、江西銅業(358/HK)が3.1%、中国黄金国際資源(2099/HK)が5.0%、紫金鉱業集団(2899/HK)が2.8%ずつ下落した。


消費関連もさえない。上記した農夫山泉のほか、白物家電の海信家電集団(921/HK)が4.9%安、免税店の中国旅遊集団中免(1880/HK)が3.8%安、乳製品の中国蒙牛乳業(2319/HK)と酒造の華潤ビールHD(291/HK)がそろって3.1%安、スポーツ用品の李寧(2331/HK)が2.7%安で引けた。


中国不動産セクターも売られる。合景泰富地産HD(1813/HK)が4.7%安、中国海外宏洋集団(81/HK)が3.5%安、旭輝(884/HK)が3.3%安、龍湖集団HD(960/HK)が2.6%安と値を下げた。


他の個別株動向では、窒素系肥料メーカーの中海石油化学(3983/HK)が6.2%安。中間決算の59〜61%減益見通しが嫌気された。


半面、中国の銀行セクターはしっかり。中国郵政貯蓄銀行(1658/HK)が2.7%高、中国農業銀行(1288/HK)が1.8%高、中国工商銀行(1398/HK)が1.4%高、交通銀行(3328/HK)が1.2%高で取引を終えた。「第3四半期(7〜9月)にも預金準備率が引き下げられる」とのアナリスト予想が伝わる中、貸出余力が増えると期待されている。


一方、本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.65%安の2915.37ポイントで取引を終了した。非鉄・産金株が安い。消費関連株、ハイテク株、医薬株、エネルギー株、インフラ関連株なども売られた。半面、銀行株は高い。公益株も買われた

亜州リサーチ(株)《CS》

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