ミアヘルサHD Research Memo(1):子育て支援事業が医薬事業と並ぶ収益の二本柱へと成長

2024年7月23日 12:21

*12:21JST ミアヘルサHD Research Memo(1):子育て支援事業が医薬事業と並ぶ収益の二本柱へと成長
■要約

ミアヘルサホールディングス<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0712900?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><7129></a>は、医薬(調剤薬局)、子育て支援、介護を主力事業として首都圏で展開している持株会社で2021年10月に設立された。株式上場で得た資金を活用してM&Aを実行し、業容を拡大してきた。2024年3月末時点における調剤薬局店舗数は42店舗、介護事業所数・施設数は65事業所、保育園・学童クラブ等の運営施設数は77ヶ所(運営受託含む)となっている。

1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の連結業績は、売上高で前期比2.1%増の22,722百万円、営業利益で同106.8%増の395百万円と会社計画(売上高22,000百万円、営業利益280百万円)を上回る増収増益となった。介護事業が不採算事業所の撤退により減収となったものの、医薬事業と保育事業の増収増益でカバーした。特に保育事業は、2023年4月に認可保育園を3園開設した効果などで園児数が増加し同3.2%増収となったほか、ライフサポート(株)で不採算だった東京都認証保育園1園を閉園したこと並びに間接コストを削減した効果により、営業利益は同27.2%増の683百万円と過去最高を更新した。

2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は、売上高で前期比0.8%増の22,900百万円、営業利益で同24.0%増の490百万円と増収増益が続く見通し。売上高は、医薬事業で薬価改定(全国平均4.67%減)の影響により減収を見込むものの、介護事業や子育て支援事業(2025年3月期より保育事業から改称)の増収でカバーする。介護事業は前期に開設したホスピス施設「ミアヘルサ メディケアオアシス流山運河」や既存のサービス付き高齢者向け住宅の入居率向上が増収要因となる。利益面では増収効果に加えて前期に不採算事業所を撤退したことも増益要因となる。子育て支援事業は2024年4月に学童クラブ運営を1件受託したほか、認可保育園を同年9月に開設予定であり、また前期末に不採算だった認証保育園を1園閉鎖したことが増益要因となる。

3. 中期経営計画
同社は2025年3月期からスタートする3ヶ年中期経営計画を発表した。最終年度となる2027年3月期の業績目標値は、売上高で23,800百万円、営業利益で830百万円、年平均成長率は売上高で1.6%、営業利益で28.1%となる。売上高は主力3事業ともに堅実な増収を計画している。一方、営業利益は子育て支援事業の成長と2024年3月期まで不採算となっていた介護事業の損益改善が主たる成長要因となる。子育て支援事業は認可保育園の開設だけでなく、待機学童問題の解消に向けた学童クラブ等の受託運営を強化する。介護事業に関しては、新規施設の開設予定がなく既存施設の入居率や複数サービスの利用率向上、及びDXによる業務効率向上で収益性を改善する方針だ。2024年4月にライフサポートをミアヘルサ(株)に吸収合併することによる間接コストの削減効果も期待できる。これらの取り組みにより、ROEは2024年3月期の0.2%から2027年3月期は11.4%に引き上げる。また株主還元については、安定した組織運営とサービス提供を維持するための自己資本の充実を図りながら、1株当たり30円以上の安定配当を継続していく。株主優待制度については、毎年9月末の株主に対して保有株式に応じてQUOカード(1,000円、2,000円、3,500円分)を贈呈しているが、2025年3月期より、基準日を3月末と9月末の年2回に拡充することを発表。

■Key Points
・2024年3月期は保育事業がけん引し、売上高、営業利益、経常利益で過去最高を更新
・2025年3月期は子育て支援事業の成長と介護事業の収益改善により、営業利益、経常利益で2ケタ増益へ
・子育て支援事業がけん引し、2027年3月期に営業利益2倍を目指す中期経営計画を発表
・1株当たり配当金は30円以上を継続予定、株主優待制度は年2回に拡充

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《SO》

最新記事