22日の中国本土市場概況:上海総合0.6%安で3日ぶり反落、銀行株に売り

2024年7月22日 16:45

*16:45JST 22日の中国本土市場概況:上海総合0.6%安で3日ぶり反落、銀行株に売り
週明け22日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前営業日比18.09ポイント(0.61%)安の2964.22ポイントと3日ぶりに反落した。


米中関係の悪化懸念が重しとなる流れ。先端技術や貿易を巡り、米国と中国は対立を深めている。米商務省が日本やオランダなど同盟国に対し、半導体製造装置メーカーが中国に向けて先端半導体技術の提供を続けることに圧力をかけている事態に対し、中国商務部は19日、「自由貿易の原則を逸脱している」などと非難した。また、中国商務部は同日、米国の化学物質プロピオン酸に反ダンピング(不当廉売)行為があるとして、関税を課すと発表している。ほか、バイデン米政権は中国の鉄鋼や電気自動車(EV)などへの税率を8月から大幅に引き上げる方針だ。人民元安の進行もマイナス。22日の外国為替市場では、対米ドルの人民元安が進んでいる。中国からの資金流出も警戒された。


もっとも、下値を叩くような売りはみられない。中国の金融緩和などが支えとなっている。寄り付き前に発表された実質的な政策金利となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」は、据え置き予想に反し、銀行貸出指標の1年物LPRが3.45→3.35%、住宅ローン金利指標の5年物LPRが3.95→3.85%に引き下げられた。(亜州リサーチ編集部)


銀行株が下げを主導。招商銀行(600036/SH)が2.7%安、中国農業銀行(601288/SH)が1.5%安、中国工商銀行(601398/SH)が1.2%安で引けた。利下げによる利ザヤ縮小が懸念されている。


石油・石炭株も安い。中国石油天然気(601857/SH)が3.4%、中国海洋石油(600938/SH)が3.0%、陝西煤業(601225/SH)が4.5%、広匯能源(600256/SH)が3.7%ずつ下落した。原油相場の続落などを嫌気している。公益株、酒造・食品株、素材株、運輸株、不動産株なども売られた。


半面、ハイテク株は物色される。IC設計の上海貝嶺(600171/SH)が8.9%高、パワー半導体の杭州士蘭微電子(600460/SH)が6.5%高、半導体モジュール生産の嘉興斯達半導体(603290/SH)が5.1%高、スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)が2.1%高で取引を終えた。米国が中国半導体業界に圧力をかける中、中国当局は支援スタンスを強めるとの思惑も広がっている。そのほか、医薬株、自動車株、軍事関連株も買われた。


外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.01ポイント(0.01%)高の231.90ポイント、深センB株指数が3.28ポイント(0.29%)安の1135.45ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《CS》

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