6月のパート・バイト時給は上昇続く、「2024年問題」でドライバーが上昇

2024年7月14日 18:25

 求人サイトを運営する各社が6月度のパート・アルバイト時給動向を発表。フード系や販売・サービス系に加えて、「2024年問題」により運送やドライバー職種の分野で引き続き時給の上昇傾向が続いていることが分かった。

【前月は】5月のパート・バイト時給、アップ続く 万博関連の募集開始も寄与

■マイナビは配送・引越・ドライバー業界が過去最高

 12日、マイナビが6月の「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表した。全国平均時給は前年同月比55円増の1,245円となり、22カ月連続で前年同月を上回った。

 「配送・引越・ドライバー」の時給か1,249円と、調査開始以来の最高額を更新。求人件数も前年同月比1.31倍で、物流業界の「2024年問題」の影響をあるとみられる。さらに工場や倉庫などの関連業界も、時給労働の活性化につながっているとみられる。

 地域別では、北海道・東北が前年同月比57円増の1,089円、関東が同57円増の1,323円、甲信越・北陸が同19円増の1,118円、東海が同25円増の1,177円、甲信越・北陸が同4円減の1,122円、関西が同50円増の1,263円、中国・四国が同32円増の1,091円、九州・沖縄が同61円増の1,123円だった。

■リクルートは販売・サービス系が好調

 同日、リクルートのジョブズリサーチセンターが6月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。3大都市圏(首都圏、東海、関西)の平均時給は前年同月比23円増の1,181円となり、38カ月連続で前年同月を上回った。ただし増加率は2.0%に留まり、23年12月以来、増加率3%を下回った。

 インバウンド向けの化粧品販売やホテルスタッフ、夏に向けてレジャースタッフの人材需要が増加し、「販売・サービス系」が過去最高額に並んだ。時給の上昇傾向は落ち着いたものの、人材不足は続いているという。

 地域別では、首都圏が前年同月比18円増の1,217円、東海が同36円増の1,109円、関西が同23円増の1,146円となり、3地域とも前年同月比プラスが続いている。

■ディップは飲食と販売で過去最高時給を更新

 同日、ディップが6月の「アルバイト平均時給調査」を発表した。全国平均時給は前年同月比57円増の1,345円となり、42カ月連続で前年同月を上回った。またアルバイト・パートの求人件数は同0.7%減の約30万4,000件となった。

 職種別では販売系のアパレル・雑貨販売が1,094円(前年同月比52円増、以下同)、食品販売が1,121円(63円増)、携帯・家電販売が1,789円(213円増)、販売その他が1,122円(51円増)。飲食系のホール・キッチンスタッフが1,145円(50円増)と、好調だった。

 地域別では、関東が前年同月比130円増の1,431円、東海が同59円減の1,203円、関西が同2円増の1,290円、九州が同141円増の1,397円と、東海のみマイナスとなった。

■エン・ジャパンはドライバー職種が伸長

 同日、エン・ジャパンが6月の「全国アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。全国平均時給は前年同月比36円増の1,302円となり、20カ月連続で前年同月を上回った。

 人材募集が一服する時期ながらも、慢性化した人手不足となっているドライバー職種の求人数が前年同月比186%、時給が同105円増と伸びており、職種別における時給の上昇額が最も大きくなっているという。

 職種別は10職種中9業種で平均時給が前年同月を上回った。中でも販売・サービス系が1,282円(前年同月比:71円増、以下同じ)、運輸・配送・軽作業系が1,244円(105円増)、営業系が1,426円(84円増)で伸び幅が大きめ。

 一方、企画・事務・管理系が1,244円(6円減)と前年同月を下回った。

 エリア別では、関東が前年同月比51円増の1,315円、東海が同32円減の1,218円、関西が同57円増の1,318円となり、こちらも東海のみマイナスだった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

関連記事

最新記事