12日の中国本土市場概況:上海総合0.03%高で続伸、銀行・保険と不動産に買い
2024年7月12日 16:45
*16:45JST 12日の中国本土市場概況:上海総合0.03%高で続伸、銀行・保険と不動産に買い
12日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比0.91ポイント(0.03%)高の2971.30ポイントと小幅ながら続伸した。
前日の好調地合いを継ぐ流れ。当局の相場テコ入れ策に対する期待感が続いたほか、米利下げ前倒し観測も支えとなった。6月の米消費者物価指数は(CPI)が前月比で予想外のマイナスに転じる中、一部のエコノミストは米利下げ開始時期が従来予想の11月から9月に早まると予想している。米長期金利も急低下し、昨夜の外国為替市場では対米ドルの人民元高が進んだ。米国が利下げすれば、中国も緩和余地が広がると期待されている。ただ、上値は重い。中国では週明け15日に重要経済統計がまとめて発表されるほか(6月の小売売上高や鉱工業生産などのほか、第2四半期のGDP成長率)、中期的な重要政策の方針を話し合う第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)が開幕するため(会期は18日まで)、様子見ムードも漂っている。指数はマイナス圏で推移する場面もみられた。
一方、取引時間中に公表された6月の中国貿易統計は、米ドル建て輸出が8.6%増と上振れたものの(予想は8.0%増)、輸入が2.3%減と予想(2.5%増)のマイナスに落ち込んでいる。ただ、相場に与える影響は限定された。(亜州リサーチ編集部)
業種別では、銀行・保険の上げが目立つ。招商銀行(600036/SH)が3.3%高、中国工商銀行(601398/SH)が2.5%高、中国農業銀行(601288/SH)が2.0%高、中国人寿保険(601628/SH)が2.2%高、中国平安保険(601318/SH)が1.8%高で引けた。
不動産株も高い。新城控股集団(601155/SH)が7.4%、保利発展控股集団(600048/SH)が3.8%、中華企業(600675/SH)が2.8%、金地集団(600383/SH)が2.5%ずつ上昇した。医薬株、食品・酒造株やインフラ建設株の一角も買われている。
半面、石炭・石油株はさえない。中国中煤能源(601898/SH)が2.2%、陝西煤業(601225/SH)が1.9%、中国石油天然気(601857/SH)が1.2%ずつ下落した。公益株、ハイテク株、運輸株、自動車株も売られている。
外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.49ポイント(0.21%)安の233.61ポイント、深センB株指数が3.49ポイント(0.31%)高の1133.19ポイントで終了した。
亜州リサーチ(株)《CS》