Jリース Research Memo(3):地域密着で中小不動産会社と協業する営業スタイル(1)
2024年7月11日 16:03
*16:03JST Jリース Research Memo(3):地域密着で中小不動産会社と協業する営業スタイル(1)
■ジェイリース<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0718700?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><7187></a>の事業概要
1. 賃料債務保証
賃料債務保証とは、住宅や店舗・事務所の賃貸において連帯保証人が果たしてきた役割を専門の保証会社が担い、入居予定者・不動産会社・不動産オーナーの三者の契約関係を円滑に行うための仕組みである。入居者にとっては、連帯保証人を確保できなくても入居が可能なほか、万が一支払いの遅延をしても円滑な立替払いにより家主との関係を良好に維持できるメリットがある。また、事業用賃料保証においては、敷金の減額により初期費用を抑えることができる。不動産オーナーにとっては、滞納発生時の賃料保証だけでなく、従来入居が困難だった人にも賃貸が可能になるため、空室率の抑制が期待できる。さらに、不動産会社にとっても仲介料の増加や事務手数料収入が期待できる。賃料債務保証は三者がWin-Winの関係を維持できる点で、時代のニーズに合致したサービスである。
2. 賃料債務保証市場の概況
同社によると、住居用賃料保証市場の規模は2,240億円で保証利用率は75%程度と推定される。賃貸借契約における賃料債務保証会社の利用率は、2010年に39%(国土交通省)であったことから、過去10数年で大幅に上昇したことがわかる。その要因は、2020年4月に施行された改正民法(債権法)である。この改正では、連帯保証人が保証する金額の極度額(上限)が設定されているため、連帯保証人の担保価値が低下する。また、足元では新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)を契機に賃料滞納に対する意識が高まり、結果として賃料債務保証会社の利用を必須とする不動産オーナーが増加したことも挙げられる。なお、事業用賃料保証市場は310億円と相対的に小さいが、保証利用率が21%程度であることから高い成長性が期待できる。同社は、200社程度が競合する住居用市場で3.4%のシェア、20社程度が競合する事業用市場で10.3%のシェアを獲得する大手企業の一角であり、両市場で高度なノウハウを有し事業展開している点が特長となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)《AS》