8日の香港市場概況:ハンセン1.6%安で続落、海運と不動産に売り

2024年7月8日 18:00

*18:00JST 8日の香港市場概況:ハンセン1.6%安で続落、海運と不動産に売り
週明け8日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比275.55ポイント(1.55%)安の17524.06ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が97.54ポイント(1.53%)安の6284.73ポイントと続落した。ハンセン指数は4月25日以来、約2カ月半ぶりの安値水準に落ち込んでいる。売買代金は893億1040万香港ドルと低水準が続いた(5日は903億2090万香港ドル)。


前週末の軟調地合いを継ぐ流れ。中国の内需不振や、中国と西側諸国の対立が引き続き投資家心理の重しとなっている。先週までに公表された消費やサービスなど非製造業の景況感指数は、官民そろって弱い内容だった。また、本土では今週半ばから来週にかけて重要経済指標の発表が相次ぐ。結果を見極めたいとするスタンスも買い手控えの一因となった。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)が6.5%安、電子機器製造受託サービス(EMS)中国大手の比亜迪電子(BYDエレクトロニック:285/HK)が5.5%安、江蘇省拠点の翰森製薬集団(3692/HK)が4.9%安と下げが目立っている。


セクター別では、海運が安い。上記した東方海外のほか、中遠海運HD(1919/HK)が8.0%、太平洋航運集団(2343/HK)が5.6%、中遠海運能源運輸(1138/HK)が3.7%ずつ下落した。欧州向け海上運賃の下落が嫌気されている。タンカー輸送中国最大手の中遠海運能源運輸については、中間決算の1割減益見通しも売り材料視された。


中国不動産セクターも急落。広州富力地産(広州R&Fプロパティーズ:2777/HK)が12.8%安、融創中国HD(1918/HK)が10.3%安、世茂集団HD(813/HK)が9.5%安、万科企業(2202/HK)が5.9%安で取引を終えた。


自動車セクターもさえない。東風汽車集団(489/HK)が4.6%安、蔚来集団(9866/HK)が3.9%安、浙江零ホウ科技(9863/HK)が3.2%安、華晨中国汽車HD(1114/HK)が2.6%安で引けた。東風汽車に関しては、6月販売が前年同月比で13.9%減少し、2カ月連続のマイナス成長だったことも懸念されている。


一方、本土市場は4日続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.93%安の2922.45ポイントで取引を終了した。不動産株が安い。消費関連株、医薬株、ハイテク株、素材株、エネルギー株、証券株なども売られた。半面、銀行株は高い。公益株、空運株、保険株も買われた。

亜州リサーチ(株)《CS》

関連記事

最新記事