オプティム Research Memo(7):2024年3月期は、過去最高の売上・利益を達成

2024年7月4日 17:47

*17:47JST オプティム Research Memo(7):2024年3月期は、過去最高の売上・利益を達成
■業績動向

1. 2024年3月期業績の概要
オプティム<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0369400?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><3694></a>の2024年3月期の連結業績は、売上高が前期比10.4%増の10,243百万円、営業利益が同10.9%増の1,940百万円、経常利益が同12.8%増の1,844百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同21.7%増の1,171百万円となり、創業来24期連続となる増収とともに過去最高の営業利益を達成した。

売上高は、モバイルマネジメントサービスの順調な売上成長に加えX-Techサービスの大幅な売上成長が増収に貢献した。モバイルマネジメントサービスの中核となる「Optimal Biz」は市場において13年連続シェアNo.1を獲得しており、市場の成長とあわせて、順調にライセンス数も増加した。X-Techサービスでは、中核となる「OPTiM Cloud IoT OS」を土台としたキラーサービス化を目指す複数の領域で成果が顕在化した。X-Techサービスの売上構成比は42.5%(前期は37.8%)まで上昇し勢いが増している。アグリテック分野では「ピンポイントタイム散布」サービスが全国に拡大した。デジタルコンストラクション分野では、3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」のライセンス数が順調に積み上がった。マーケティングDX分野では、「自治体向けスーパーアプリ・プラットフォーム」の佐賀市での展開が開始され、市民の約3割に浸透し、活用が始まった。

利益については、売上総利益率が同1.1ポイント低下したが、販管費率も同1.3ポイント低下し、これらの結果、営業利益率は前期と同水準の18.9%となった。全般的には、将来への先行投資をしっかり行いつつ、高い収益性を維持しており、順調な業績と評価できる。

極めて安全性の高い財務状況。将来的なM&Aなどにも余力を残す
2. 財務状況と経営指標
2024年3月期末の資産合計は前期末比1,343百万円増の9,562百万円となった。流動資産は同850百万円増の4,599百万円であったが、これは現金及び預金が461百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が389百万円それぞれ増加したことが主な要因である。固定資産は、ソフトウェアが787百万円増加したことなどにより、同492百万円増の4,963百万円となった。なお、現金及び預金の残高は461百万円増の1,902百万円とさらに充実した。

負債合計は前期末比190百万円増の2,220百万円となった。これは、未払金が165百万円増加したことなどにより、流動負債が同189百万円増加したことが主な要因である。固定負債は同0百万円増の139百万円と大きな変化はなかった。純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が1,171百万円増加したことなどにより、同1,152百万円増の7,342百万円となった。

安全性に関する経営指標については、流動比率が221.0%、自己資本比率が75.8%となっており、財務の安全性は極めて高い。一定以上の開発投資を行い続けているが、ROEで17.6%、ROAで20.7%、ROSで18.9%と高い収益性・効率性を維持している。現預金残高の充実や借入金の少なさなどから、M&A案件などがあった場合に積極的に獲得に乗り出せる財務体質であると言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)《HN》

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