NCD Research Memo(10):2025年3月期は小幅増益予想、さらに上振れの可能性

2024年6月21日 13:10

*13:10JST NCD Research Memo(10):2025年3月期は小幅増益予想、さらに上振れの可能性
■今後の見通し

● 2025年3月期連結業績予想の概要
NCD<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0478300?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><4783></a>の2025年3月期の連結業績予想は売上高が前期比9.9%増の28,000百万円、営業利益が同4.0%増の2,200百万円、経常利益が同2.8%増の2,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同4.5%増の1,450百万円としている。小幅ながら増収増益予想としている。IT関連事業の好調やパーキングシステム事業の収益性向上などにより、人的資本拡大や先行投資などによるコスト増加を吸収する見込みだ。

セグメント別(売上高は外部顧客への売上高、セグメント利益は全社費用等調整前の額)の計画は、システム開発事業の売上高が前期比11.8%増の11,650百万円でセグメント利益が同1.7%増の1,568百万円、サポート&サービス事業の売上高が同18.3%増の9,150百万円でセグメント利益が同0.2%減の849百万円、パーキングシステム事業の売上高が同1.3%減の7,200百万円でセグメント利益が同25.8%増の1,616百万円としている。IT関連事業は受注拡大により大幅増収だが、利益面では不透明感やコスト増加の影響を見込んでいる。パーキングシステム事業は、自治体関連の不採算の指定管理駐輪場からの撤退を進める方針のため小幅減収だが、価格改定継続や不採算案件の縮小などにより大幅増益を見込んでいる。

重点戦略として、IT関連事業ではサービスメニュー拡充によるNCDサービスモデルの進化、マネージドサービスの適用拡大によるITフルアウトソーシングの推進、中途採用強化やリスキリング促進による高度IT人材の育成など、パーキングシステム事業では自営駐輪場を中心とする価格改定の継続、自治体戦略による指定管理駐輪場の収益性改善、BPRによって構築したデータ基盤を活用したデータドリブン経営の実現、ゼネコン・デベロッパー向け広報・営業の強化、コーポレート部門ではマテリアリティへの取組強化による経営への本格実装、人材の確保・育成をはじめとした人材マネジメント力の強化、グループガバナンス態勢の一層の強化などを推進する。

会社予想は人的資本拡大や先行投資などによるコスト増加を考慮して小幅増益にとどまる見込みとしているが、IT関連事業では企業のDX投資などで受注が引き続き高水準に推移すると予想されること、NCDサービスモデルの進展によって収益性が上昇基調であること、パーキングシステム事業では価格改定や業務効率化などBPRの成果によって一段の収益性向上が期待されることなどを勘案すれば、会社予想は保守的な印象が強く、弊社では上振れの可能性が高いだろうと考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)《SI》

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