EG Research Memo(4):2024年9月期通期は、売上高115億円、営業利益17億円を予想
2024年6月20日 13:34
*13:34JST EG Research Memo(4):2024年9月期通期は、売上高115億円、営業利益17億円を予想
■業績動向
1. 2024年9月期第2四半期の業績
イー・ガーディアン<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0605000?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><6050></a>の2024年9月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比7.0%減の5,718百万円、営業利益が同6.6%減の878百万円、経常利益が同9.2%減の872百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同18.0%減の536百万円と減収減益となった。売上高に関しては、期初予想値(6,491百万円)を773百万円下回った。EC・フリマサイト向けのカスタマーサポートが堅調に推移し、脆弱性診断やWAFの拡販によりサイバーセキュリティが大きく伸長したものの、フィンテック関連の一部案件の需要が落ち着いたことや、既存案件の売上高の減少を新規案件の受注で補えなかったことが減収の要因である。なお、新規案件の獲得は着実に進んでいるものの、想定よりも時間を要している。事業別では、サイバーセキュリティ事業が増収だったものの、ソーシャルサポート事業、ゲームサポート事業などそれ以外の事業が減収となった。
利益面では、営業利益で期初予想値(948百万円)を70百万円下回った。営業利益率では前年同期を0.1ポイント上回る15.4%となった。前期の収益悪化要因であった一部の低収益案件は前期末に改善を果たし、当期においてはセンター体制の強化、採算性管理の強化、価格改定を行ったことが収益性向上の要因である。
2024年3月末の財務指標では、自己資本比率85.5%、流動比率718.7%と安全性が極めて高い。現預金9,377百万円、有利子負債ゼロと資金(調達)余力も十分あり、今後の業界再編、M&A戦略をリードするうえで財務基盤は健全である。
2. 2024年9月期通期の業績予想
2024年9月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比3.4%減の11,503百万円、営業利益が同1.2%減の1,758百万円、経常利益が同3.1%減の1,751百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同4.4%減の1,176百万円であり、上半期の実績を反映して下方修正された。同社の事業領域であるインターネット関連市場は、スマートフォンを中心としたソーシャルメディアやソーシャルゲームといったソーシャルWebサービスに加え、FintechやIoTなど、引き続き成長が予想される。
2024年9月期の方針としては、売上面では、新規案件の獲得で既存案件終了の影響をカバーできなかった反省の下、営業体制強化及びチェンジホールディングスとの顧客基盤の相互活用、エンタープライズ系デジタルBPO領域の強化などに取り組む。利益面では、低収益案件が発生したことの反省の下、センター体制の強化、採算性管理の強化など高生産性の追求に取り組む。ソーシャルサポート分野では、チェンジホールディングスとの相乗効果により、自治体や大企業の顧客を開拓し、デジタルBPO領域の業務の拡大を目指す。ゲームサポート分野では、ローカライズを契機としたカスタマーサポートなどのクロスセルを強化する。アド・プロセス分野においては、インターネット広告市場が持続的に成長するなか、ステルスマーケティング、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)などの法規制を背景にした需要の取り込みに注力する。サイバーセキュリティ分野では、企業のサイバーセキュリティ対策に関する旺盛な需要を受け、既存サービス(脆弱性診断、WAF、コンサルティングサービス)を軸に、ワンストップでサイバーセキュリティサービスを提供できるよう、サービスラインナップの拡充を続ける。また、さらなる成長に向けてセキュリティ人材を確保し、チェンジホールディングスが有するデジタル人材育成力を活用するなど、教育体制の強化やマーケティングなどにも戦略的投資を行う計画である。
通期の売上高計画(修正後)に対する第2四半期進捗率は49.7%(前期実績は51.6%、前々期実績は48.8%)と例年の水準である。営業利益に関しても、第2四半期進捗率が50.0%(前期は52.9%、前々期実績は52.0%)と例年並みであり無理のない計画になっている。弊社では、BPO及びサイバーセキュリティ領域における外部環境がおおむね良好であるため、新規開拓案件のスタートやチェンジホールディングスとの相乗効果次第で、売上高・各利益の上乗せ可能性もあると考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)《AS》