ソフト99 Research Memo(3):自動車・家庭用ケミカル用品の製造販売会社で売上高の5割強が自動車分野(2)

2024年6月19日 16:03

*16:03JST ソフト99 Research Memo(3):自動車・家庭用ケミカル用品の製造販売会社で売上高の5割強が自動車分野(2)
■ソフト99コーポレーション<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0446400?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><4464></a>の事業概要

2. ポーラスマテリアル事業
子会社のアイオン(株)で展開するポーラスマテリアル事業は、1999年にカネボウ(株)から譲り受けた事業で、アイオンはポリビニルアルコール(PVA)素材をベースとしたスポンジ(機能性多孔質吸収体)のパイオニア企業として知られている。高い吸水性能を生かして、主に産業資材や生活資材向けに開発製造を行っている。用途としては、産業資材では半導体やハードディスク等の製造ライン用(洗浄・吸水工程、研磨工程)、生活資材では洗車用タオルやスポーツ用タオルなどがある。また、医療分野の事業拡大を目的に2020年8月に病院向け衛生関連用品の企画開発・販売を行うアズテックを子会社化している。アズテックは、特に大規模病院の手術室用モップで高いシェアを持っており、直販並びに医療製品卸会社を通じて販売している。

2024年3月期の売上構成比は、産業資材が79%、生活資材が22%となる。また、海外売上比率は49%で、特に半導体分野では台湾、韓国や米国の大手半導体メーカーを顧客に持ち、最先端プロセスの製造ライン用では米国の1社と市場シェアを二分するほどの競争力を持つ。医療分野向け製品としては、インフルエンザ検査用キットの吸液スポンジ等で採用が進んでいる。

直近5年間の営業利益率は10%台前半で安定して推移している。付加価値の高い半導体・ハードディスク製造ライン用製品がけん引しており、産業用資材のうちハイテク産業向けの売上比率は約5割の水準となっている。なお、海外向けに関しては円建て取引のため、為替変動の直接的な影響は受けない。

3. サービス事業
サービス事業は、子会社で展開する自動車整備・鈑金事業のほか、自動車教習所事業、生活用品企画販売事業で構成されている。2024年3月期の売上構成比は、自動車整備・鈑金が49%、自動車教習所が19%、生活用品企画販売が33%となっている。

自動車整備・鈑金事業では、(株)ソフト99オートサービスで鈑金塗装や各種コーティング施工サービスを展開している。損保会社やカーディーラー(主に輸入車)経由で入庫される事故車両などの修理や車検整備を主に行っているが、ここ数年は安全運転システムが普及し始めたことで事故車両が減少傾向にあり、需要が頭打ちとなっている。このため、メイクアップ用のカーラッピングサービスや、塗装面を飛び石や虫などによるキズ・汚れから守るプロテクションフィルムの施工サービスに注力している。サービス拠点は関西5ヶ所、首都圏で2ヶ所の体制となっている。

自動車教習所事業は、アスモ(株)が兵庫県尼崎市で「尼崎ドライブスクール」1校を運営している。生活用品企画販売事業については、(株)くらし企画で生活協同組合向けを中心に家庭用品・雑貨の企画販売を手掛けている。また、自社ECサイトでの販売にも注力しており、2021年3月期からPB商品の開発販売を開始している。

4. 不動産関連事業
不動産関連事業は不動産賃貸事業と温浴事業、介護予防支援事業が含まれる。2024年3月期の売上構成比を見ると、「極楽湯」(3店舗)を運営する温浴事業が71%、不動産賃貸事業が27%、介護予防支援事業が2%となっている。不動産賃貸事業に関しては本社ビルと東京・秋葉原にある自社ビル等の賃貸を行っている。介護予防支援事業は、「極楽湯」(尼崎店)の同社敷地内で温浴事業の付加サービスとして、2014年11月より開始した事業である。なお、不動産関連事業に関しては自社保有する不動産の有効活用が目的となっているため、今後も現状の事業規模を維持する方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《HN》

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