ウェーブロックHD Research Memo(2):ウェーブロック技術の導入からスタートした樹脂加工メーカー

2024年6月18日 16:32

*16:32JST ウェーブロックHD Research Memo(2):ウェーブロック技術の導入からスタートした樹脂加工メーカー
■会社概要

1. 会社沿革
ウェーブロックホールディングス<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0794000?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><7940></a>は、1964年に糸強化プラスチックシートに関する製法特許「ウェーブロック」技術をイタリアから導入するために、日商(株)(現 双日<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0276800?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><2768></a>)、日本カーバイド工業<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0406400?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><4064></a>、丸登化成工業(株)(現 龍田化学(株))の3社が均等出資して設立した日本ウェーブロック(株)が起源となる。ウェーブロック製法とは、2枚のプラスチックフィルムの間に合成繊維の糸を波状(wave)に複数配列し、接着固定(lock)してサンドイッチ構造にする製法のことであり、同製法で作られた樹脂加工シートは、伸縮性を持つと同時に物理的強度も大幅に向上するといった特長がある。1960年代に農業分野で使用されていたビニル製品は強度が弱く破れやすいという課題があり、創業者である木根渕弘水(きねぶちひろみ)氏が、同分野でウェーブロック製品のニーズがあると見て農業用雨合羽から技術導入を図った。その後、ビニルハウスやレインコート、産業用資材などにも市場の裾野を広げ、事業を拡大した。

1979年には壁紙ベースメーカーとして壁紙業界に参入したほか、1980年に現在のアドバンストテクノロジー事業の礎となる金属蒸着ポリエステルフィルムなど複数の素材を組み合わせた多層ラミネートシートの製造販売を開始するなど、創業者の強力なリーダーシップにより事業の多角化を進めながら成長を続け、1990年には日本証券業協会の店頭売買銘柄に登録、株式公開を果たした。2003年4月に創業者の長男で前代表取締役社長であった木根渕純(きねぶちじゅん)氏に経営が引き継がれて以降は成長戦略の1つとしてM&Aにも積極的に取り組み、2005年4月には純粋持株会社体制に移行した。

海外展開については、マテリアルソリューション事業では編織事業の製造機能強化のため2012年に中国に合弁会社を設立し、2018年にはASEAN地域での事業活動強化を目的としてタイに子会社を設立した。一方、アドバンストテクノロジー事業では販売子会社を2012年に韓国、2018年に米国、2019年にドイツで設立した。欧米子会社については主に自動車分野をターゲットに営業活動を推進している。その他、2013年にアジア地域における商社機能強化を目的に香港に子会社を設立した。

2021年3月には、(株)ウェーブロックインテリア(現 クレアネイト(株))の株式の51%をサンゲツ<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0813000?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><8130></a>に譲渡し、主力事業の1つであったインテリア事業を切り離した。サンゲツはインテリア商社の最大手で主要取引先として2015年に資本業務提携を締結、同社の筆頭株主でもあったが、双方の協議によりインテリア事業を譲渡し、資本業務提携も併せて解消した。2022年5月にクレアネイトの残り49%の株式を譲渡しており、株式売却で得た資金を成長が見込めるアドバンストテクノロジー事業や新規事業への投資、M&Aやアライアンス資金などへ投下し、企業価値の向上を目指す戦略をとっている。直近では2023年6月に樹脂加工メーカーのRP東プラの株式を20.32%取得し、持分法適用関連会社としている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《SO》

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