早稲アカ Research Memo(4):コロナ禍以降はICTを活用したサービスの積極導入が差別化要因に

2024年6月18日 12:44

*12:44JST 早稲アカ Research Memo(4):コロナ禍以降はICTを活用したサービスの積極導入が差別化要因に
■会社概要

3. 強み
早稲田アカデミー<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0471800?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><4718></a>では教育理念として「本気でやる子を育てる」を掲げており、提供価値として「本来価値」と「本質価値」の両方を提供していくことで差別化を図っている。「本来価値」とは、顧客の最終目標である成績向上や志望校への合格であり、質の高い授業サービスを提供し続けることで達成していく学習塾の普遍的な価値でもある。一方の「本質価値」とは、社会人になっても豊かな人生を送る礎となる姿勢や能力を育むことを意味しており、具体的には本気で真剣に取り組む姿勢やチャレンジ精神、問題を発見し解決する力や困難を乗り越えやり抜く力などを育むことを意味している。

同社はこの「本来価値」と「本質価値」の提供に取り組んできた結果、首都圏において私立の難関中学や難関高校に毎年、業界トップクラスの合格者数を輩出する進学塾としてのポジションを確立した。難関校に毎年多くの合格者を輩出できているのは、質の高いカリキュラムや教材を開発・提供するだけでなく、合格に直結する指導法を教師に習得させるための教育研修システムの改善にも継続的に取り組んできたことが挙げられる。また、コロナ禍以降では、「早稲アカDUAL」や「早稲田アカデミーOnline」などICTを積極的に活用し、顧客に対して利便性や学習効率の向上を促すサービスを業界に先駆けて提供してきたことも合格実績の向上につながっていると見られ、同社の強みとなっている。そのほか、塾生たちのやる気を引き出し学習意欲を高めるための「学習する空間づくり」や、互いに競い合い切磋琢磨する学習環境を提供していること、さらには「志望校への合格」という共通目標を全社一丸となって達成していくため、教師だけでなく事務職も含めたインセンティブの設定、人事評価制度を導入していることも高い合格実績を維持し続ける要因になっていると考えられる。

4. 主要株主と提携状況
同社の主要株主を見ると、2024年3月末時点の筆頭株主はナガセで持株比率は18.49%、第2位に英進館(株)9.62%、第5位に明光ネットワークジャパン5.00%、第8位に学研ホールディングス<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0947000?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><9470></a>2.76%と同業他社が上位に名を連ねている。

このうちナガセとは、ナガセの子会社で中学受験指導の草分け的存在である(株)四谷大塚と1997年に提携塾契約を締結している。提携内容は、小学部で使用する教材類を四谷大塚から購入し、カリキュラムも準拠して指導すること、並びに四谷大塚の実施する公認テスト会場として同社が代行的な業務を行うことができることなどが定められている。また、2023年11月にはナガセが運営する東進衛星予備校に加盟した。

第2位株主の英進館は九州を地盤とする進学塾で、慶應義塾女子高校やラ・サール高校の入試対策用特別講座及び夏期合宿、講師研修などの共同開催を行うなど事業面で協業関係にある。また、第5位株主の明光ネットワークジャパンとは、個別指導塾「早稲田アカデミー個別指導館」の共同開発を目的に資本業務提携を締結していたが、2021年11月に提携関係を解消した。ただし、明光ネットワークジャパンは同社株式を継続して保有する意向である。第8位の学研ホールディングスについては、グループ会社と海外での早稲田アカデミーブランドによる学習塾事業に関する業務提携契約を締結している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《SI》

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