新興市場見通し:アストロスケールHD不発で25日線に跳ね返される地合いは継続
2024年6月8日 15:07
*15:07JST 新興市場見通し:アストロスケールHD不発で25日線に跳ね返される地合いは継続
■週間ベースでは上昇したものの、上値の重い展開
今週の新興市場は上昇。同時期の騰落率は、日経平均が+0.51%だったのに対して、グロース市場指数は+0.66%、グロース市場250指数は+0.51%とプライム市場と同じような動きが見られた。日米金利低下に伴いグロース市場の主力株に投資資金が向かい、グロース市場指数、グロース市場250指数ともに反発を強める場面が見られたものの、5日に上場したアストロスケケールHD<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0186A00?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><186A></a>に投資家の関心が集中したことから指数は失速。両指数ともに25日移動平均線に頭を抑えられており、週間ベースでは上昇したものの、上値の重い展開となった。
時価総額上位銘柄では、弁護士ドットコム<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0602700?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><6027></a>、GENDA<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0916600?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><9166></a>、サンウェルズ<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0922900?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><9229></a>が反発基調を強めた一方、シーユーシー<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0915800?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><9158></a>が上場来安値を更新したほか、フリー<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0447800?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><4478></a>が年初来安値を更新。JTOWER<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0448500?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><4485></a>、トライト<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0916400?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><9164></a>は上場来安値圏、カバー<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0525300?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><5253></a>は年初来安値圏でのもみ合いとなった。このほか、アストロスケールHDの初値は公開価格を50.7%上回る1281円と好調な滑り出しで、5日は一時ストップ高まで上昇。ただ、6日以降は売り圧力が強まり、7日は一時1000円を割り込む場面も見られた。連日で数百億円単位の売買代金と商い活況となったが、宇宙関連銘柄のispace<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0934800?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><9348></a>、QPS研究所<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0559500?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><5595></a>も軟調な展開となるなどグロース市場復活の起爆剤とはならなかった。
■来週もグロース市場は方向感に乏しい相場展開か
来週の新興市場は、アストロスケールHD上場後に盛り下がったムードを払しょくできるかが注目だ。グロース市場コア指数採用銘柄は強弱まちまちで方向感に乏しい。5月末から見られたグロース市場指数、グロース市場250指数の自律反発も、25日移動平均線に跳ね返された。終値ベースでこの水準をクリアしたのは両指数ともに3月22日が最後だ。2カ月超、切り下がっている25日移動平均線に頭を抑えられた地合いが続いていることから、まずはこの水準を上回るきっかけが欲しいところだが、来週は米国では、米連邦準備制度理事会(FRB)による米連邦公開市場委員会(FOMC)、日本では、日本銀行による金融政策決定会合がそれぞれ開催されることから、プライム市場もグロース市場も様子見ムードが続き、静かな地合いとなりそうだ。来週もグロース市場は方向感に乏しい相場展開となろう。
なお、11日には医療機関等に関する経営サポート事業を手掛けるD&Mカンパニー<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0189A00?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><189A></a>、14日にはRNA制御ストレスを標的とするがん治療薬の開発等を手掛けるChordia Therapeutics<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0190A00?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><190A></a>がそれぞれグロース市場に上場する。いずれも投資家の関心が高い銘柄のため、初値、そして初値形成後の値動きに関心が向かおう。特に、Chordia Therapeuticsの動向次第では、足元盛り上がったクオリプス<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0489400?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><4894></a>、ケイファーマ<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0489600?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><4896></a>、ノイルイミューン・バイオテック<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0489300?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><4893></a>などバイオ関連銘柄が動意付く可能性もある。《FA》