6日の中国本土市場概況:上海総合0.5%安で続落、不動産株に売り

2024年6月6日 17:14

*17:14JST 6日の中国本土市場概況:上海総合0.5%安で続落、不動産株に売り
6日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比16.61ポイント(0.54%)安の3048.79ポイントと続落した。4月24日以来の安値を切り下げている。


中国不動産業を巡る不透明感が重しとなる流れ。格付け会社のフィッチ・レーティングスは5日、2024年の新築住宅販売額について、中国全体で前年比15〜20%減の8兆3000億〜8兆8000億人民元(約178兆〜189兆円)に縮小するとの見通しを示した。従来予想(5〜10%減)から下方修正している。それより先、シティグループが最新リポートで、中国の不動産市場がソフトランディング(軟着陸)に向かっているとの見解を示していただけに、水を差された格好だ。また、大手各社の月次統計では、足元で物件販売の落ち込みが続いている。そのほか、米中対立の警戒感がくすぶっていることや、本土マネーの流出懸念などもマイナス材料だ。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、不動産の下げが目立つ。格力地産(600185/SH)が2.6%安、信達地産(600657/SH)が2.4%安、緑地HD(600606/SH)が2.3%安、中華企業(600675/SH)が1.8%安で引けた。


太陽光発電の関連銘柄も安い。隆基緑能科技(601012/SH)が6.0%、弘元緑能(603185/SH)と通威(600438/SH)がそろって2.9%ずつ下落した。科創板では、天合光能(688599/SH)が3.0%安、晶科能源HD(688223/SH)が2.7%安と値を下げている。米貿易規制を背景に、「中国のソーラーパネル企業が東南アジアの生産規模を相次ぎ縮小した」と報じられた。報道によると、業界大手の隆基緑能科技は、今週からマレーシアの太陽電池モジュール工場で生産規模を縮小。ベトナムのセル工場では、5本の生産ラインを全て停止した。このほか、天合光能はタイ工場の操業停止を進めているという。米政府は5月16日、中国企業が太陽光パネルを関税逃れの目的で東南アジア4カ国を通じて迂回輸出しているとして、輸入規制を強化すると発表した。


保険・証券株もさえない。中国太平洋保険(601601/SH)が2.0%安、新華人寿保険(601336/SH)が1.9%安、中国平安保険(601318/SH)が1.5%安、国聯証券(601456/SH)が1.9%安、国金証券(600109/SH)が1.9%安と値を下げた。消費関連株、医薬株、空運株、インフラ関連株なども売られている。


半面、石炭・石油株は高い。陝西煤業(601225/SH)が3.7%、中国神華能源(601088/SH)が3.3%、中国石油天然気(601857/SH)が2.3%、中国海洋石油(600938/SH)が2.2%ずつ上昇した。


半導体株の一角も物色される。上海貝嶺(600171/SH)がストップ(10.0%)高した。嘉興斯達半導体(603290/SH)が3.1%高、江蘇長電科技(600584/SH)が2.7%高と値を上げている。エネルギー株、公益株、産金・非鉄株、海運株も買われた。


外貨建てB株相場は、上海B株指数が7.98ポイント(3.38%)安の228.29ポイント、深センB株指数が18.68ポイント(1.65%)安の1111.84ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《CS》

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