ニーズウェル Research Memo(5):2024年9月期第2四半期も、引き続き2桁成長の増収増益で業績好調
2024年6月5日 15:45
*15:45JST ニーズウェル Research Memo(5):2024年9月期第2四半期も、引き続き2桁成長の増収増益で業績好調
■業績動向
1. 2024年9月期第2四半期の連結業績概要
ニーズウェル<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0399200?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><3992></a>の2024年9月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比645百万円増の4,826百万円(前年同期比15.4%増)、営業利益は同124百万円増の697百万円(同21.7%増)、経常利益が同124百万円増の711百万円(同21.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は同116百万円増の509百万円(同29.7%増)となった。受注強化に向けた社員及びパートナーの技術者増強及び子会社の連結により売上が拡大し、売上総利益は同123百万円増の1,139百万円(同12.2%増)、販管費はほぼ横ばいの442百万円(同0.1%減)となった。これは社員及びパートナーの技術者を増強し、グループ連携による売上拡大が寄与した結果である。一方で、販管費は経費管理の効率化が進んでいるため、営業利益は大幅に増加し高水準を保っている。また、経常利益についても、良好な成果が出ており、経常利益率は14.7%に達した。親会社株主に帰属する四半期純利益も同29.7%増となり、さらに利益成長を達成している。同社は、持続的な成長と企業価値の向上を目指し、優秀な人材の確保と開発力、信用力の強化を重視している。特にプライム市場における「流通株式時価総額100億円以上」という基準達成に向けて、様々な施策を推進している。資本業務提携を通じて、受注の増加や販路拡大、技術者の確保が実現しており、2024年1月にはエフ・エスソフトウエア開発(株)、2月にはヒューマンズ・ネット(株)、3月にはSMHC(株)といった企業との提携を新たに締結し、その連携をさらに強化している。これらの取り組みが結実し、同社はより高収益な体質を維持している。
サービスライン別の売上高は、「業務系システム開発」の売上高は前年同期比496百万円増の3,276百万円(前年同期比17.8%増)、「IT基盤」は同59百万円増の834百万円(同7.6%増)、「ソリューション」は、同91百万円増の715百万円(同14.7%増)となった。2024年9月期第2四半期は、すべてのサービスラインが前年同期比を上回る好調な成績を示した。主要な業績を牽引したのは「業務系システム開発」で、この部門は特にマイグレーション開発や生命保険、公共事業、通信業界向けのプロジェクトが順調であった。「IT基盤」では、ITサポート、ITアウトソーシングが新たにサービスメニューに加わり、社会のデジタル化進展に伴うシステムの複雑化に対応する専門性の高い技術を提供した。特に、製薬業界やホテル業界向けのITサポート、損害保険や通信、電力業界向けの基盤構築が堅調であった。「ソリューション」では、独自のソリューションやサービスを提供することで他社との差別化を図り、特に電子帳簿保存法やインボイス制度に未対応のユーザーから多数の受注を獲得した。全体として、2024年9月期の注力分野である「マイグレーション開発」「ITアウトソーシング」「ソリューション」が業績を牽引する形となり、各部門が市場のニーズに応えながら成長を遂げている。
2020年9月期では売上高成長率が-3.8%となり減少が見られるも、2021年9月期からは売上が回復し始め、7.2%に増加した。その後の期間においては、売上高成長率は持続的に増加し、2022年9月期には17.0%、2023年9月期には30.2%と顕著な伸びを見せている。最新の2024年9月期第2四半期では、成長率が15.4%となり、引き続き健全な成長が継続している。EPSについても同様に、2020年9月期の20.50円から安定して増加し、2021年9月期には23.32円、2022年9月期には24.93円へと向上している。特に2023年9月期には42.63円という非常に高い水準を記録し、企業の利益効率が大幅に向上している。
このデータから、同社は2020年9月期の一時的な業績の低迷を乗り越え、その後の戦略的な取り組みや市場環境の改善により、売上及び利益の両面で顕著な成長を達成していることが明らかである。これは、新製品の導入、市場拡大戦略、コスト管理の最適化など、効果的な措置が功を奏していると考えられる。
2. 財務状況
2024年9月期第2四半期末における財務状況は、総資産、負債、純資産それぞれに顕著な動きが見られた。総資産は6,024百万円となり、前期末に比べて76百万円増加した。この増加は、受取手形や売掛金、契約資産が326百万円増えたこと、長期前払費用が86百万円増加したこと、投資有価証券と前払費用がそれぞれ54百万円と50百万円増えたことが主な要因である。ただし、現金及び預金の減少が457百万円あり、これが総資産増加の一部を相殺している。負債の総額は1,900百万円で、前期末と比べ333百万円減少した。この減少は未払金の309百万円減少、賞与引当金の44百万円減少、未払消費税等の25百万円減少によるもので、買掛金の67百万円増加を上回った。一方、純資産は4,124百万円と前期末より410百万円増加した。これは利益剰余金の251百万円増加、その他有価証券評価差額金の37百万円増加、資本剰余金の27百万円増加、そして自己株式の91百万円減少(処分)によるものである。これらの動向は、会社の財務基盤が全体的に強化されつつあることを示しており、特に自己資本の増強が顕著である。なお、企業の安全性を示す自己資本比率は前期末から6.0ポイント上昇の68.3%と、依然として安定した財務体質を維持している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)《HN》